ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ゆとり世代の叱り方・教え方を具体的なケースで学ぶ連載の第8回。靴がボロボロなど外見を気にしない、興味の幅が狭く話題づくりに不熱心な場合の対処法です。
Q 新入社員の靴がボロボロなので、きれいにするよう注意しました。すると「お金がなくて買えないので、仕方がないじゃないですか」と言います。そういう問題ではないと思うのですが…。
A 「お金がない」ことの責任にしています。仕事の場にふさわしい姿勢や格好をする大切さを教えましょう。
【対処法のポイント】
「お金がないから、仕方がない」というのは自分の理屈であり、この場合もまた、「周囲が自分をどう見ているかが大切である」という判断基準が欠けています。
本人もボロボロの靴を好んで履いているわけではないでしょう。一方で、「髪型や服装は自分の自由じゃないか」「給料をたくさんくれない会社が悪い」といった、心の奥にある気持ちも関連しているかもしれません。
たとえ話として、次のようなものはどうでしょうか?
――病院の院長が「肺炎ですね」と患者に告げてカルテを書き込んでいました。そのときのペンに、キャラクターが描かれていたら…。火事のとき、消防隊員がゆるキャラの描かれたTシャツを着て現場に来たら…。
いかがでしょうか?仕事の場では、それにふさわしい格好や姿勢があることを、例を出しながらゆとり世代に教えてください。
仕事で初対面の人に、そのボロボロの靴はどう思われるでしょうか。「自分に対して、きちんとした格好で接する気がないんだな」と思われたら、ビジネスはその時点で終わりです。そこまでいかなくても「だらしないな。仕事に対してもそうなんだろうな」と思われるのは間違いありません。
いつもアイロンのかかったシャツを着て、靴をきれいに磨いているほうが、取引先はもちろん、上司や先輩をすがすがしい気持ちにさせ、結果として自分にとって得であると教えましょう。
服装は「周囲にどう評価されるか」の基本になる。
Q 営業の話題づくりとしてはやりものの知識は欠かせません。しかし、最近の新人はモノを知らなすぎます。指摘すると「はやりものに便乗するのって、何かみっともないじゃないですか」と言ってきます。
A 興味のないことを知ろうとしない。「食わず嫌い」の姿勢を変えさせましょう。
【対処法のポイント】
興味あることは非常によく知っているが、一般的な常識は気にしない。これもゆとり世代の特徴です。
絶対評価によって他人を含む周囲の事柄にあまり関心を持たず育ってきたことと、インターネットの普及によって情報ソースが増え、自分の興味対象だけをとことん調べられるようになったことが、こういう特徴を生みました。
「今、これがはやっているよね」と言っても、興味がなければ「ふーん」で会話が終わるのがゆとり世代です。知ろうともしません。興味のないことを指摘され、反発しての言葉が「はやりものに便乗するなんて」となるのです。
もちろん、流行に何も考えずに飛び付くようではダメです。しかし、流行には何らかの理由があります。それを分かった上で利用する・しないを決めることが大切です。ところがゆとり世代には、「食わず嫌い」のところがあります。これは人に対してもそうで、ちょっと「気が合わないな」と思った相手がいると、よく知ろうともせず避けてしまうようになります。
流行しているものの話題がビジネスで役立つことは少なくありません。「取りあえず行ってみよう」と、まず調べてみる、試してみる姿勢を持たせてください。放っておけば、仕事に対しても「食わず嫌い」になります。「この取引先はダメそうだな」と勝手に判断し、調べようともしません。「興味のないことでも試してみる大切さ」を教えるのは、知識の面にとどまらず、ゆとり世代の取り組み姿勢を大きく変えるために重要です。
興味のないことでも、役立つことは少なくない。
執筆=柘植 智幸(じんざい社)
1977年大阪生まれ。専門学校卒業後、自分の就職活動の失敗などから、大学での就職支援、企業での人財育成事業に取り組む。就職ガイダンス、企業研修、コンサルテーションを実施。組織活性化のコンサルティングや社員教育において、新しい視点・発想を取り入れ、人を様々な人財に変化させる手法を開発し、教育のニューリーダーとして注目を集めている。さらに、シンクタンクなどでの講演実績も多数あり、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、経済界、日経ベンチャーなど多数のメディアにも掲載される。
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ゆとり世代の叱り方・教え方Q&A