ビジネスを加速させるワークスタイル(第3回) 個人所有のスマートフォンを賢く業務にも使用する

音声通話 スマホ働き方改革

公開日:2016.02.03

 営業担当者が普段、仕事の連絡用に使うスマートフォンなどの情報端末。個人所有のスマートフォンなどを業務にも使用する「BYOD」(Bring Your Own Device)と呼ばれるスタイルをご存じだろうか。このスタイルは業務の効率を向上させるという点で大変有効だ。

 企業側にとっては、端末を社員に支給する必要がなくなり、コスト削減につながるというメリットがある。だが、このメリットを享受するためには、クリアしなければならないいくつかの課題があるのも事実だ。

 上場企業を含む全国5000社へアンケートを郵送し調査した「携帯電話・スマートフォン"法人利用"実態調査2016」(日経BPコンサルティング調べ)によると、個人所有端末を業務活用に許可している企業は2015年11月時点で21.7%。2014年とまったく同率で、企業におけるBYODは横ばい状況だといえる。

 その一因には費用分計の課題も挙げられる。個人所有だから当然、私用の電話利用もある。かかった電話料金のうち、業務用がどれくらいになるかの算出はかなり困難な作業だ。そこで企業によっては、一定額を通信補助費として支給するなどして対処しているところもあるようだ。

課題を解決する多機能なビジネスフォン

 BYODの課題については、それらを解決するサービスも存在する。ポイントとなるのがスマートフォンと、多機能なビジネスフォンなどの存在だ。

 例えば、多機能なビジネスフォンなどにあるコールバック機能を使うと、外出先から顧客に連絡をする際に、簡単な操作でオフィスのビジネスフォンを経由して外線発信が行われる。そのため相手先にはオフィスの電話番号が電話発信元として通知されるので、自身の端末の電話番号を知られずに発信することができる。

 オフィスのビジネスフォンを経由して発信することから、会社側の通話料金として処理される。またオフィスへ着信があった場合にも、外出前にビジネスフォンに転送設定しておくことで、自分のスマートフォンに着信転送を設定できる。もちろん、転送にかかる料金は会社負担なので、費用分計の課題もクリアされる。

 さらに、スマートフォンを会社の内線用端末として使えるサービスもある。スマートフォンが使える場所でなら、スマートフォンとオフィスとの通話が内線番号で受発信が可能になるうえ、オフィスの電話を経由して外線発信するため、顧客などともオフィス感覚でコミュニケーションが取れるというわけだ。

 BYODは、社員にとっても、使い慣れた機器や好みのスマートフォンが業務にも利用可能となり、業務用と個人用と複数の端末を持ち歩かなくて済むようになるなど、業務の効率化だけでなく、社員の満足度アップに寄与するとも考えられる。

 このようなメリットがあるため、スマートフォンと組み合わせて使うサービスは徐々に広がっている。最近注目されつつある、各種のコミュニケーション手段を統合して有効に利用する「ユニファイドコミュニケーション(UC)」とスマートフォンを連携させることで、その機能をさらに便利に、有効活用できる。今後ますます需要は高まっていくだろう。

 音声電話の使い勝手を向上し、自社に合った機器やサービスを検討し導入していくことが、顧客や取引先との信頼関係を維持したり高めたりする。社内の連絡やコミュニケーションもよりスムーズになり、その結果、ビジネスの効率化・省力化も実現していく。BYODをうまく活用し、あまり手間や費用をかけずに、"いつでもどこでも"確実にビジネスチャンスをキャッチしたいものだ。

執筆=青木 恵美

長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。

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