ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
ビジネスの効率化や生産性の向上といった命題に加え、仕事と生活を両立するワーク・ライフ・バランスなど、「多様な働き方」に企業が注目しはじめている。ワークスタイルの変革に乗り出す企業は少なくない。
ワークスタイルを変革する中で、考えるべきポイントの1つが会議の方法。会議の必要性は否定できないが、勤務形態が多様化する中で、会議の方法にも変化が求められている。新しいワークスタイルのポイントの1つは時間や場所にとらわれずに働くこと。そんなワーカーが多くの時間を割いて、会議室に集まって顔を突き合わせることが必要なのだろうか。
企業規模や業種に関係なく、会議が全く必要ないという企業はほとんどないだろう。しかし、定例だからという理由で"会議ありき"になってしまっているケースも珍しくない。ワークスタイルの変革の中で求められるのは、必要な会議は短時間で効率的に行うことや、集まらなくてもコミュニケーションが取れる仕組みづくりだ。
そのための第一歩が「その会議は本当に必要かどうか」を考えること。部門内の業務報告や方針説明のような会議であれば、わざわざ部員を集めるまでもなく、紙に書いて回覧したり、メールで同報したりすれば済む可能性が大きい。
会議を開く必要があると判断したのであれば、次に効率化を徹底する。そのためには、あらかじめ参加者に会議のテーマを伝えておき、資料もメール添付などで事前に配布して、会議前に事前に確認してもらっておく。これにより、資料の説明の時間が省け、本題にすぐ入れる。
実際の会議では、進行役となるファシリテーターの役割が重要だ。まずは参加者の意見を吸い上げるだけなのか、最終的な結論(合意)まで導き出すのかといった具合に目的を明確にして、それをめざして進行する。会議の終了時間をきちんと決めておき、必ず目的にたどり着くことをミッションとすべきだ。
集まってお互いの顔を見て声を聞く会議の席では、文章のやり取りでは分からない熱意やニュアンスが感じられるメリットがあるのは事実だ。せっかく集まったらからには、会議の目的を達成し、有意義だったといえるものにしたい。
集まらなくてもコミュニケーションが取れる仕組みづくりにはICTが役立つ。例えば、メールを使えば、会議を開催する本社や支社に集まりにくい遠隔地の拠点にいる社員の意見を聞いたり、意思を確認したりすることは容易にできる。
従来、1対1の会話の手段として使われてきた電話だが、多人数が参加できる音声会議システム(電話会議システム)も多数存在している。これを使えば、離れた複数の拠点でも、双方向の会話が可能になる。
音声のやり取りだけでは、コミュニケーションが不十分になると判断した場合にはテレビ会議システムも検討に値する。登場当初は非常に高価だったテレビ会議システムも、現在は非常に低価格化している。インターネット回線を使用するものなどは、従来よりもかなり手軽に導入できる。
最近はワークスタイルが変化して働く場所が多様化しているので、1カ所に集まることが、以前よりもコストや人への負荷がかかりがちになっている。それをカバーする有力な手段としてテレビ会議や電話会議といったツールの活用が考えられる。ワークスタイルの変化に合わせて、集合会議以外に、ICTを使った新しい会議を取り入れればよりコミュニケーションは充実するはずだ。
執筆=山崎 俊明
【MT】
ビジネスを加速させるワークスタイル