ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
私は25年近く経営コンサルタントをしており、自分を経営者のコーチだと考えています。経営者が経営を成功させるためのお手伝いをするコーチということです。経営者に限らず、誰でもが成功するには正しい努力を積み重ねることが、実はすごく大切です。「正しい努力」と「積み重ねる」。この2つが重要なキーワードです。
まず正しい努力についてお話ししましょう。例えばプロのサッカー選手になりたいと思っている人が毎日10時間卓球を必死に練習しても、Jリーガーにはなれませんね。それと同じで、経営者として成功したい人は経営者になるために必要な正しい努力が大事になってきます。そこで経営コンサルタントの私は「経営者として成功するための、正しい努力とは何か」をアドバイスするのが仕事だと思っているのです。
では「積み重ねる」の方はどうかというと、これは経営者の皆さん自身しかできないことなんですね。ですから私が皆さんにできるのは、経営者として成功するための正しい努力とは何かをお伝えすることに尽きます。そのためにはまず、経営とは何かということを知っていただく必要があります。
私は経営というのは、3つの要素から成り立っていると考えています。3つというのは何かといいますと、本連載でも述べたように、1つ目は企業の方向付け。これは何をやるか、やめるかということです。2つ目は資源の最適配分で、資源というのは、ヒト、モノ、カネ、そして経営者の時間も重要な資源です。それらをいかに最適に配分できるかが問われます。3つ目は人を動かすということで、働いている人に喜んでもらえる、私はよくルンルン気分と言いますけれども、ルンルン気分で働いてもらえるかどうかが大事です。
繰り返しますと、企業の方向付け、資源の最適配分、人を動かす。この3つを経営者の皆さんがいかにうまくやれるかをコーチするのが、私の仕事なんです。
1つ目の方向付けについて、詳しくお話しします。経営とは「管理」だと勘違いしている人が、残念ながらかなりの数いらっしゃるのではないかと思います。もちろん管理も非常に重要ですが、方向付けが正しい、何をやるのか、やめるのかを正しくできて初めて管理が生きてきます。ですから経営者にとってまず大事なのは、方向付けを間違わないということです。
ただ、これは言うのは簡単ですが、やるのは実はすごく難しい。方向付けをする一番の根幹になるのは、ミッションやビジョン、理念。正しいミッションやビジョン、理念をまずは持ち、それをベースに自社を取り巻く外部環境を適切に分析できるか。そして、さらに自社の内部環境。皆さんの会社が持っている人的資源や物的資源などの強みも分析して、方向付けをしていくのです。
外部環境については、私はよく経営者の方に新聞を読んでくださいとお伝えしています。それも、一面のトップ記事を毎日丁寧に読むのです。多くの人は、自分の関心のあるところしか読みません。けれども、自分の関心を社会の関心に合わせることが大事なので、皆さんも今日からで構いませんから、一面のトップ記事をしっかり読んでください。この習慣を1年、3年、5年と続けていると、世の中がどう動いているのかが分かるようになってきます。
経営において大事なことは、皆さんの会社を世の中の変化に合わせていくことです。「会社」という言葉は「社会」の反対です。社会の大きな流れに勝てる会社はありません。世の中が皆さんの会社に合わせるわけではありませんから。その大前提として、皆さん自身が世の中の動きを知る必要が出てきます。
自分が興味を持っている、持っていないにかかわらず、新聞の第一面は時間をかけて丁寧に読む。それを毎日繰り返せば、世の中の変化や世の中そのものに対する感性は少しずつ高まっていきます。そうすれば、先ほど申し上げた方向付けの前提ができます。ですから、私にだまされたと思って、新聞のトップ記事や大きな記事を読む習慣を続けてみてください。
●経営習慣の確認ポイント
経営とは管理することだと勘違いをしていませんか
執筆=小宮 一慶
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問のほか名古屋大学客員教授も務める。1957年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。米ダートマス大学タック経営大学院に留学、MBA取得。1991年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングに従事。1996年に小宮コンサルタンツを設立。
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どんなときでも稼ぐ社長の経営習慣