出張族必見 新幹線「いまどき」利用術(第4回) ビジネス移動にも食の楽しみ 新幹線駅弁購入ガイド

雑学

公開日:2015.10.20

 旅の楽しみの一つ、駅弁。地方在来線での車内販売や駅売りが縮小する傾向にある中、各地のご当地駅弁が首都圏の販売網に活路を求める一方、駅ナカに象徴される鉄道系小売店もご当地弁当を武器に販売を伸ばしています。新幹線の移動は、そんな駅弁をじっくり楽しめる絶好の機会だといえるでしょう。

 今回は、新大阪と東京、品川3駅での駅弁購入ガイドを中心に、新大阪駅にお目見えした駅ナカ商業施設・エキマルシェを併せて紹介します。

新大阪駅のニューフェース「駅弁にぎわい」

 新大阪駅でのおなじみは、ジェイアール東海パッセンジャーズの売店。新幹線乗り換え改札内と各ホームに合わせて17店があります。駅弁の種類が多いのは、コンコースの2店。ざっと50種類ほどある弁当から、好みの一品を選べます。乗り換え改札外の売店は、2015年3月のリニューアルで面目を一新。在来線コンコースの一角にジェイアール西日本フードサービスネット運営の「旅弁当 駅弁にぎわい」がオープンしました。

 関西一円ほか各地から取り寄せた約100種類という品ぞろえで店を構える同店の売れ筋は、大阪城をかたどった容器にタコ焼きやかやくご飯など大阪名物を詰め合わせた幕の内「浪速なんでも大阪弁当」(税込1000円)や、広島駅の人気駅弁で、ご飯の上に煮穴子2本が仲良く並ぶ「夫婦あなごめし」(税込1150円)など。

 「大阪弁当は東京へ帰るお客様に人気で、昼時よりも夕方以降によく売れますね。西日本でもとりわけ山陽路の名物・あなごめしは堅調な売れ行き。行楽のお客様が2つ3つと、まとめ買いされるケースも目立ちます」と売店スタッフ。毎月1~2回入れ替わる全国名物駅弁の実演販売コーナーは、「作りたての弁当が味わえますし、お勧めですよ」と話してくれました。

海鮮系に強い東京駅

 東京駅では、八重洲口側に新大阪駅と同じパッセンジャーズの売店が17店あるほか、丸の内口側の在来線改札内コンコースでは、日本レストランエンタプライズが運営する「駅弁屋 祭」がにぎわいを見せています。

 駅弁屋 祭のセールスポイントは、なんといっても品ぞろえの多さ。全国から集めた駅弁が約170種類と、常設の売店では国内最大級の規模を誇ります。ラインアップの特徴は、ズラリと並ぶ「海鮮系」駅弁の多彩さ。とりわけ東北や北海道に多いイクラやサケ、ウニなどを使う丼ものの豊富さに目を奪われます。

「ローカル駅弁」が健闘する品川駅

 品川駅の新幹線ホームには売店がありませんから注意が必要です。南北2カ所の新幹線乗り換え改札内に、パッセンジャーズの売店が3店舗あります。品ぞろえはいささか少なめといったところ。

 同駅で健闘が目立つのは、「崎陽軒」「大船軒」(いずれも神奈川県に本社)の2社が提供する「ローカル駅弁」。崎陽軒は「シウマイ弁当」(税込800円)でおなじみの老舗。大船軒は、駅弁として1913(大正2)年から100年以上の歴史を誇る「鯵(あじ)の押寿し」(税込960円)が名物です。今風の駅弁にはない素朴な見た目と味わいに、かえって新鮮さを感じるという人もありそうです。

 新幹線南改札口に通じる連絡通路脇にある売店「駅弁屋 品川宿」では鯵の押寿しを、「ギフトガーデン 品川南」ではシウマイ弁当を買うことができます。

新大阪駅には新たな駅ナカも

 東京・品川の両駅に比べると、新大阪駅では駅ナカ商業施設のリニューアルに最も後れを取っていましたが、2015年12月21日に「サッと立ち寄り15分でプチ満足」をコンセプトに掲げ、エキマルシェ新大阪が全面開業。10月時点で26店舗が先行営業していて、新たにイートインを含む10店舗の出店を迎え全36店舗が出そろいます。11月5日に開業のカフェにはフリーWi-Fiサービスが提供されるとのことで、さらに駅ナカの利便性が高まります。

 お勧めは、植垣米菓(神戸市)が手塩にかける甘辛いかりんとう風のあられ菓子で、80年以上のロングセラー商品「鶯(うぐいす)ボール」のアンテナショップ。同商品は、東京ではめったに見かけないものの、関西人にはおなじみの銘菓です。同店だけで買えるフレーバー「丹波黒大豆のきなこ」「宇治の抹茶」「紀州の南高梅」などを目当てに、時には行列ができることも。お土産のみならず車内のお茶うけとして、早くも新しいファンを獲得しているようです。

 目的はビジネスでも、2時間半の新大阪・東京間は小さな“旅”。座席に持ち込んだ好みの一品に舌鼓を打ちながら過ごすことで、豊かな時間を満喫できるでしょう。

執筆=前田 昌宏

フリーライター兼編集者。1969年、兵庫県姫路市生まれ。県立姫路西高等学校から甲南大学へ進む。就職後は、転々と住まい・仕事を変えつつ文筆の世界へ。現在は、ローカル(局地的)コンテンツの掘り起こしをライフワークとする。

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