ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
契約書から回覧文書、宅配便の受け取りまで、ビジネスのさまざまなシーンに登場する「はんこ」。実印、銀行印、認め印といった多様なはんこを日常的に使い分けるのは、世界的に見ても日本だけの習慣です。サインとは違ってポンと押すだけで印が残せる点、押印された書類箇所を見ただけで誰が確認したのかがすぐ分かる点は、大きなメリットです。
はんこという“偉大なるガラパゴス”な文化を持つ日本には、多彩でユニークなはんこが存在します。最近では、はんこ本体がなくても押印できるグッズやサービスまで登場しています。
今回は、そんな新しいはんこの世界をのぞいてみましょう。
“世界最薄”をうたうはんこがあります。それが、Web制作会社のアンディが開発した「スマート印鑑」という製品です。「印鑑」と名前が付いていますが、本体は厚さ0.34mmの薄いシート1枚のみ。シートには、認め印サイズである直径9.5mmの朱色の印影が、12個配置されています。
使い方は、シートの半透明のフィルムを剥がし、押印したい書類の上に、印影が下になるようにフィルムを置き、指でグリグリと押して、フィルムをめくるというもの。すると、フィルム内の印影のインクが、まるではんこを押したように、書類に転写されます。転写されたインクの厚みはわずか0.01mmで、これは一般的なシールを貼った場合の10分の1程度に過ぎません。
メーカーのアンディによれば、印影は一般的な書類にも違和感なくなじむとのこと。同社が企業や役所などで認め印として通用するか調査した結果、9割超の受理が得られたとしています。
名字の種類は、公式通販サイトで700種類用意されています。12個タイプのほか、3個だけの「Sサイズ」もあります。直販価格は12個タイプが410円、3個タイプが162円です(税込)。
購入後は、包装されている袋に入れておけば長時間保管でき、使用期限も特にないとのこと。財布や手帳に非常用として常備しておくと、いざというときに役立つかもしれません。
請求書などの書類を紙からPDFに切り替えて、ペーパーレス化に取り組んでいる企業も多いでしょう。
しかし、中にはペーパーレス化が中途半端な形で移行されてしまい、PDFを紙にプリントしてはんこを押し、それをまたPDF化するといった、面倒な作業をしている会社もあるかもしれません。社判や届出印がどうしても必要な場合は仕方がありませんが、認め印でも構わない場合は、わざわざこのような作業をするのは手間です。
そんなときは、はんこの印影をあらかじめ画像ファイルとして用意しておき、PDFなど書類ファイルにペーストすれば、いちいち印刷しなくても、画面上で「押印」が可能になります。本稿ではこれを「電子認め印」と呼びます。
電子認め印はWeb上でさまざまなサイトが提供しています。例えば白舟書体という会社が提供している「Web認印」という無料サービスでは、1万種類の名字から電子認め印が作成できます。書体や印影のサイズに加え、印影の色(朱、赤、紅)も選択可能です。
このほか、フリーソフト「電子でぺったん」のように、日付を含んだ電子認め印が作成できるものもあります。
最後に紹介するのは、はんこや文具メーカーとして知られるシヤチハタから2016年11月に発売された多機能はんこ収納ケース「シクオス デュオ」です。
シクオス デュオは、はんこ本体が2本収納できるはんこ収納ケースです。本製品の最大の特徴は、ケースのふたの中央部が、はんこをキレイに押すための柔らかい下敷き(印マット)となっている点。ふたを取り外し、はんこを取り出すタイミングで、自然に机の上にマットが敷かれるという、使用シーンを考えた設計になっています。
本体内には、朱肉やはんこの汚れを取り除くブラシも用意。さらに、切手や印紙の収納スペースや、切手・印紙をぬらすためのスポンジまで入っています。はんこは直径18mmの太いものも収納可能です。
世界的にはんこを使っている国は少ないとはいえ、日本では日常的に使います。今回紹介したグッズやサービスを利用することで、より快適な「はんこライフ」に役立ててみてください。
執筆=大久保 通
フリーライター。地方紙・業界紙での記者経験を経て独立。企業取材、インタビューを中心に幅広く執筆活動を行っている。
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