人に語れるようになる“ITのツボ”(第3回) ビジネスフォンを“クラウド化”すべき理由とは

音声通話

公開日:2016.05.11

 近年、ビジネスフォンのクラウド化が進みつつあります。従来のオンプレミス型と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。クラウド型ビジネスフォンの特徴についてご紹介します。

 多くの企業で導入されている「ビジネスフォン」。前回はビジネスフォンの基本的な知識を紹介しましたが、今回は「クラウド型ビジネスフォン」についてです。「クラウド型」は、従来の「オンプレミス型」と比べ、どのようなメリットがあるのでしょうか?

クラウド型ビジネスフォンはオンプレミス型と比べ何が便利なのか?

 オンプレミス型のビジネスフォンとクラウド型ビジネスフォンの一番の違いは、自社のサーバールームなどに設置する主装置の有無です。従来のビジネスフォンは、主装置に電話機を接続することで、内線電話機同士の通話や転送ができるようになります。主装置というハードウエアを設置して運用するため、経年劣化が発生したり、システムの更新などによる管理コストも必要になったりします。

 一方、クラウド型ビジネスフォンは、主装置の代わりとなるサーバーをクラウド上に置くことで、自社に主装置を設置する必要がなくなります。主装置の劣化に伴うハードウエアの交換コストやシステム更新に伴う管理コストが削減できます。

 従来のオンプレミス型のビジネスフォンは、回線を増設する場合に配線工事が必要なため、使用できるまでに時間がかかります。一方クラウド型は、インターネット上で回線を管理しているため、増設の際の手間や時間が軽減でき、効率良く導入できます。

 こうしたメリットによって、業務拡大や営業所の新設の際にも、内線が使用できる環境を速やかにつくり出せます。社内レイアウトの変更やオフィス移転の際にも内線番号の変更や電話回線の工事が不要です。短期的な出張用の事務所などにも容易に内線電話環境を設置できます。

在宅時や海外出張時でも内線利用可

 クラウド型ビジネスフォンのもう1つの特徴は、使用する範囲が従来よりも大きく広がる点です。

 これまでのビジネスフォンは、基本的に主装置が設置されている社内での使用に限られていました。しかしクラウド型ビジネスフォンは、クラウド上のIP電話サーバーを経由することで、在宅時や海外出張時でも内線としての通話ができます。他の営業所のビジネスフォンやパソコン、外出先のスマートフォンからでも内線の利用が可能です。

 また個人のスマートフォンを、ビジネスフォンとして使用することも可能です。例えば個人のスマートフォンにビジネスフォン用のアプリを導入し、そのアプリを使って通話すれば、会社のビジネスフォンとして通話ができます。そうした内線通話の場合は通話料がすべて無料となります。サービスによっては、スマートフォンに限らず、タブレットやノートパソコンなどでも通話が可能なものもあります。

 クラウド型ビジネスフォンで国内、海外拠点の電話を内線化すれば、電話代を安く抑えることも可能。海外に多くの拠点を構える企業では、非常に利用価値が高いといえるでしょう。

ビジネスフォンの機能がスマートフォンでもそのまま使える

 クラウド型ビジネスフォンは、外出先で内線が使えるということ以外に、ビジネスフォンに備わっている機能をそのまま利用できるというのも特徴です。

 例えば、テレアポ業務をはじめとする電話を用いた営業の場合、過去に「もうかけないでほしい」と申し出があった企業の把握は必要不可欠です。この情報を事前にビジネスフォンのNGリストに登録・共有している企業は少なくありません。

 クラウド型ビジネスフォンであれば、そうした情報や設定も、内線化したスマートフォンに共有できます。BIZTELの「発信フィルタリング」などの特定番号への発信規制機能を使えば、在宅や業務委託などでスマートフォンから発信する場合でも、営業NG企業への誤発信を防ぐことが可能なのです。

 そのほか、三者会議などの機能もスマートフォンから利用できます。たとえ業務委託や外部業者の所在が遠方であったり、外出先であったりしても滞りなく打ち合わせが行えます。

一気にクラウド化は難しい?それなら“ハイブリッド”で

 大変便利なクラウド型ビジネスフォンは、徐々に企業に浸透しつつありますが、その一方で、まだ多くの企業がオンプレミス型のビジネスフォンを利用し続けています。

 その理由はいくつか考えられます。クラウド型へ刷新する場合、既存の主装置を使い続けることができず、場合によってはビジネスフォンがリース契約中で途中解約できない、などの理由を抱える企業もあるでしょう。

 あるいは時期によって電話の呼量(通信回線の占有率)に波がある場合、繁忙期に合わせたスペックのシステムを導入すると、閑散期にはオーバースペックとなり、かえってランニングコストが高くなってしまう、といったケースも考えられます。

 しかし、最近では既設のビジネスフォンの主装置をクラウドと連携させて初期投資を抑えたり、コール数が増える時期のみクラウドを利用できたりするサービスもあります。

 クラウド型ビジネスフォンには数々の長所がありますが、上記の通り、一度にすべてを変更するということは、簡単にはできません。その点では、クラウド型ビジネスフォンの便利さを利用しながら、手間がかからないよう既存の主装置を使い続けられる “ハイブリッド型ビジネスフォン”という方法も選択肢に入れるべきかもしれません。

執筆=鮎川 大

関西で活動する営業出身のフリーライター兼ディレクター。ビジネス系のコンテンツを中心に、医療・ファッション・食品・HPのトップページなど幅広い分野に精通。またサイトの運営・管理から外注のディレクションまで一貫して請け負い、コミュニケーションを重視するのが特徴。

【MT】

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