ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
今年のゴールデン・ウイークは、3年ぶりに新型コロナウイルス対応の行動制限が解除され迎えることとなった。予想通り人流は増加し、例えば岡山後楽園の入園者数は昨年比2.4倍、倉敷・美観地区には2.7倍の観光客が訪れた。昨年と比べて2倍から3倍の人出があった観光地は多い。
現在、ワクチン接種の普及や感染対策徹底などの結果として懸念された新型コロナウイルスの感染拡大は抑制傾向にあると思われる。この傾向が続けば人流は増加していくだろう。「ウイズコロナ」「アフターコロナ」を見据えた観光振興策も各地で取り組まれ、「Go To トラベル」の代替策として都道府県が実施する旅行の割引キャンペーン「県民割」延長も検討されている。この動きをチャンスに変えるには、コロナ禍で起きた変化を理解しておく必要がある。
まずテレワークなど新しい働き方によって、ITの活用がより身近になった点は大きな変化だ。情報収集に際してネットを検索することはこれまで以上に当たり前になった。それを象徴する変化が「ネット通販(EC)」の広がりだ。ここ2年は連続して1割程度市場が拡大している。背景にあるのは非接触での買い物の増加やスマートフォンの普及。店舗に行って現物を確認できない分、SNSなどで情報を収集して買い物をするというパターンが目立つ。
コロナ禍を通じて起こった3つの変化
そしてもう一つはキャッシュレス決済の広がりだ。通販ではクレジットカードが利用され、スーパーや飲食店、コンビニなどでは電子マネーが使われるようになった。2019年10月の消費税の増税時に開始された「キャッシュレス・消費者還元事業」以降、低下傾向にあったキャッシュレス決済が再び広がっている。
これらの変化をチャンスに変えるためには何が必要なのだろうか。求められるのが積極的な情報発信だ。ユーザーインターフェースを見やすく工夫したWebサイトを設け、SNSでも情報発信を図る。他社との差異化を意識した情報を掲載するように心がけよう。
飲食店や美容院など、実店舗を持ってビジネスしている場合には、地図検索への対応が有効な手段となる。検索サイトでキーワードを入れるなどして店舗を探す際には、利用者がいるエリアの地図上に該当する店舗がリストアップされる。このとき、上位に表示されれば同業他社に対して優位性を確立できる。リストの店名をクリックすると簡単な店舗の紹介情報に加えて、Webサイトや経路案内、電話番号などが表示されるので、ユーザーのクイックなアクションが期待できる。顧客の利便性を向上させる意味ではキャッシュレス決済も合わせて導入しておきたい。
ウイズコロナの時代に入ったことでユーザーの行動変容が起きている今は、販路拡大のチャンスでもある。そこではITの活用は必須だ。何も手も打たなければ新規の顧客を他店に奪われてしまうことになる。できるところからスピーディーに取り入れていくことをお勧めする。
執筆=高橋 秀典
【MT】
販路拡大のキモ