金融機関を味方にすれば企業は強くなる!(第13回) 融資コンサルタントにだまされないための見分け方

資金・経費

公開日:2017.09.29

 金融機関から融資を受けようというときに、融資メニューの種類や金利条件の情報を検索することがあるでしょう。その際、銀行や信用金庫のWebサイトと並んで、融資コンサルタントと称する会社や団体が表示されることがあります。

 ここでは「融資審査を通すための方法を教える」「確実に融資を受けられるようにする」といった言葉を用いる融資コンサルタントは信用できるのか、コンサルティング業務を委託して大丈夫なのか、といった見分け方に関するポイントを紹介していきます。

融資コンサルタントは貸金業登録が必要

 提供するコンサルティングサービスの内容によりますが、融資コンサルタントの仕事は、多くは貸金業法の規制対象です。貸金業法の所管省庁である金融庁では、「資金の融通を受けたい者と資金の融資を行いたい者との間に立って金銭消費貸借契約の成立に尽力する行為は、資金の融通を受けたい者又は資金の融資を行いたい者のどちらのために行われているかを問わず、金銭の貸借の媒介に該当する」と解釈を示しています。

 例えば、金融機関の審査を通すという名目で融資の申込書を代筆したり、依頼者の代わりに金融機関に足を運び交渉したりするといったコンサルティングサービスは、貸金業法の規制を受けることになります。つまり、貸金業者として未登録のコンサルタント会社は、ヤミ金業者と同じ規制対象というわけです。

 そのため経営者としても、思わぬトラブルに巻き込まれないよう、依頼を検討している融資コンサルタントの貸金業者登録を確認しておくことが必要です。貸金業者には登録番号の表示義務がありますので、Webサイトや広告などで登録番号が表示されていない場合は注意すべきです。

 また、貸金業登録番号を表示しているケースでも、その番号自体が虚偽の場合もあります。実在しない番号や他社の番号を勝手に表記して依頼者を欺く行為に対し、金融庁も注意を促しています。少しでも怪しいと感じたら、金融庁が提供している「登録貸金業者情報検索サービス」を利用して、真偽を確認することをお勧めします。

登録の有無だけでなく成果報酬の割合も要チェック

 実は、金融庁に登録されていても、悪徳業者だったというケースもあり得ます。悪徳業者を見抜く判断基準の1つとして、設定されている成果報酬の割合から判断することができます。出資法では、金銭貸借の媒介手数料は融資金額の5%を上限にすると定めています。

 手数料とは称さずに礼金、調査料とした場合も含めて、全報酬の上限は融資額の5%まで。成果報酬10%はもちろんのこと、成果報酬5%+調査料10万円という場合は出資法違反に当たりますので、違法業者だなと判断することができます。

 そのような違法行為をする融資コンサルタントを利用することは、法定外の手数料を支払うだけでなく、会社としてのコンプライアンスリスクにもつながる可能性があります。その融資コンサルタントが貸金業法や出資法違反で摘発された場合、利用者側の社会的イメージが傷ついてしまう可能性がありますし、金融機関からの信用を失ってしまう恐れも見逃せません。

融資を受けることは目的ではなく手段

 そもそも、融資を受けることのみを売りにしたコンサルティングサービスを受けようと考えている企業は、融資は事業拡大するための「手段」だったはずが、「目的」にすり替わっている場合が多いです。

 金融機関と直接交渉して融資を受けることができないということは、裏を返せば、金融機関から「貸せない」という判断をせざるを得ない経営状態だということです。貸せない判断に至った理由としては、財務内容から返済可能性が低いと評価されていたり、事業計画が非現実的であったりなど、信用不足。

 このような金融機関の判断を覆すには、財務内容を健全にする、あるいは信用保証協会の保証などのように第三者を利用して、事業計画の実現性を評価してもらうなどがあります。つまりは、貸せない理由を1つずつ消していくしかないのです。

 資金が必要だから融資を受けたいのです。資金が必要な理由は、商品の仕入れや設備投資などを円滑に進めて、会社を成長させていくことのはずです。もしかすると、資金を得る手段は融資に限らないかもしれません。遊休資産の売却、あるいは自己資金で購入可能な商品の仕入れルートを開拓するといったことなども、手段として考えられます。

 融資コンサルタントの甘い言葉に心が揺らいだときは、いったん手を止めて落ち着きましょう。そして、融資が自社の目的達成に適した手段なのかどうかを自問自答してみましょう。

執筆=水野 春市

経済関連の調査活動を行うミハルリサーチの一員。主に地域の伝統産業や企業行動に関するレポートを作成している。

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