ビジネスコミュニケーション手法の改善(第8回) データ活用の本命、クラウドストレージを手軽に

クラウド・共有

公開日:2022.03.30

 大企業だけでなく、中小企業にもデジタル化の要求が高まってきている。自社はアナログで生き抜くと心に決めても、取引先からの要望に応える必要が出てきて、デジタル化に取り組まざるを得ない場合もある。

 デジタル化が進展する中で、最も大切なものは「データ」であることは言うまでもない。そのデータをどこに保存し、どうやって社内外と共有したらいいか。単にデータをデジタル化するだけでなく、その保存と活用の仕方も考えなければならなくなってきた。

企業用クラウドストレージでセキュリティ強化、業務効率向上

 紙の資料をデジタル化するだけでも、業務の効率や利便性は高まる。しかし、高セキュリティで便利にデータを活用するとなると、個人のパソコンにデータを入れておくだけでは心もとない。データの保存・共有では、こんな困りごとがあるのではないか。「テレワークでも社内と同じファイルを利用したい」「社外にデータを持ち出したときの紛失が心配」「拠点間や取引先などとファイルを安心して共有したい」。さて、データはどのように保管したらいいのだろう。

 データの受け渡しを考慮したとき、企業のデータ保管方法にはいくつかのタイプがある。「USBメモリー」はメールでは送れないような大容量ファイルの受け渡しに古くから使われていた。しかし、物理的な紛失・盗難やマルウエア感染などのセキュリティリスクが高く、現在では利用が推奨されなくなった。自社に「ファイルサーバー」を構築する方法ならば、比較的安全に保管できる。ただし、社外とのデータの受け渡しには向かない上、初期費用から運用費用までコストがかさむ。簡易なサーバー用途としてネットワーク接続型のストレージ「NAS」を使う方法も考えられる。社外からのアクセスを可能にする設定もできる一方で、運用管理が現場任せになることが多く、現場の負担増や運用リスクがつきまとう。それぞれ一長一短があるわけだ。

 そこで、もう1つの選択肢に着目したい。企業用のクラウドストレージである。クラウドストレージならば、機器購入や運用のためのスタッフにかかるコストが不要。しかもインターネット経由で場所を問わずにデータにアクセスできる。アクセス権限の管理はきめ細かく設定でき、保管したデータのセキュリティは主にサービス事業者が担う。サービスとしての提供なので、カスタマイズ設定や仕様変更は難しい場合もあるが、保管したデータを社内外で共有する用途ではメリットが上回るだろう。

USBメモリー、ファイルサーバー、NAS、企業用クラウドストレージの特徴

多彩なクラウドストレージのラインアップが登場

 クラウドストレージには、個人向け、法人向けで、多彩なサービスが提供されている。Box、Dropbox、Google Drive、Microsoft OneDriveは、ビジネスだけでなく個人利用でも名前が知られている。いずれも法人向けに有料サービスを提供していて、大容量(一部は無制限)のストレージを利用できる。クラウドに保存するため、テレワークでも場所を問わずに利用でき、チームメンバーや社外の関係者とのファイル共有も可能だ。アクセス権限も詳細に設定できるほか、データがクラウド上にあるので災害時などの事業継続にも役立つ。

 しかし、ここで名前が挙がるような大手クラウドストレージサービスは、海外のベンダーが主流だ。企業の重要情報をどこに保存するかは企業の情報ポリシーによるが、国内のデータセンターでの保管を重視する考え方もある。そうしたときに活用したい1つのソリューションが、NTT西日本の「おまかせクラウドストレージ」だ。データをすべて国内のデータセンターで保管し、国内大手通信事業者のサービスとして信頼の置けるデータ保管を実現している。

 おまかせクラウドストレージは、クラウドストレージとしての高度な機能を持つだけでなく、柔軟な設定も可能だ。フォルダごとに、組織の構成に合わせた権限の設定が可能で、重要情報の保管先に求められるアクセス管理も容易に実現できる。社外とのやり取りには共有リンクURLとプロジェクトフォルダ機能が使える。社内でしか使えないフォルダと、社外との共有用フォルダを分けられる。

 操作性も優れている。パソコン上や社内サーバーと同様のフォルダ構成で利用でき、クラウドサービスなのを忘れるほどだ。パソコン操作が苦手な社員も使いやすいユーザビリティーとなっている。

 セキュリティもよく考えられている。国内でのデータ保管を担保するだけでなく、保存したデータを自動で暗号化するデータ保護や、回線認証※で第三者による利用を防ぐ機能もある。使い勝手と安全性の両面で選ぶクラウドストレージとして、十分な機能・性能を備えている。
※「フレッツ 光」等によるIPv6通信への対応が必要

社外とセキュアにデータをやり取りできる仕組みは、例えば商店街全体の情報共有にも使える。ただし、他店舗との情報共有時は個人情報の扱いに注意する必要がある

Microsoft Teams連携、シングルサインオンで使い勝手も秀逸

 おまかせクラウドストレージは、単なるデータの保管にとどまらず、より利便性を高めて業務効率化につなげる機能も用意している。チームワークにおいては、Microsoft Teams(以下、Teams)とシームレスな連携を実現し、Teamsのチャットで簡単にファイル共有ができる。データ活用をスムーズに進めるための機能だ。

 また、FacebookやGoogleのアカウントを使った認証が可能で、1回の認証で複数のサービスを利用できる「シングルサインオン」によるスムーズな接続を実現する。今後、さまざまなクラウドサービスとの連携を進め、保管場所を意識せずに使い勝手のよいファイル保存環境を提供していく予定だ。

 料金も、中小企業で使いやすいリーズナブルな体系で提供される。スモールスタートが可能な「スモール」プランは、100GBの保存容量を5IDで利用できて、月額3850円(税込)で提供する。1TBの保存容量を10IDで利用できる「スタンダード」プランも、月額7700円(税込)で、いずれも1ID当たり月額1000円を下回る。さらに大容量のプランもリーズナブルな料金で提供されている。

 おまかせクラウドストレージの使い勝手や性能・機能を知りたい利用者に向けて、NTT西日本は無料トライアルも用意している。前述した「スタート」プランの契約者は30日間にわたって無料で試用でき、その魅力を確認してから本格的な利用を始められる。安心で使い勝手のよいデータ保管、受け渡しの環境の構築が必要と考えるならば、おまかせクラウドストレージの利用を検討してみてはいかがだろうか。

【おまかせクラウドストレージについて】

・おまかせクラウドストレージの契約には、NTT西日本が提供する「フレッツ光ネクスト」「フレッツ光クロス」「フレッツ光ライト」もしくは光コラボレーション事業者が提供するFTTHアクセスサービスいずれかの契約が必要

・利用には、「フレッツ光」などのブロードバンド回線およびプロバイダーサービスの契約が必要

・NTT西日本が提供する「フレッツ 光ネクスト」等で回線認証機能を利用する場合は、別途「フレッツ・v6オプション」の申し込み・契約が必要。また、ルーターなどのネットワーク機器およびご利用のパソコンなどの端末がIPv6通信に対応する必要がある

・無料トライアル適用期間中は、NTT西日本のサポートセンターへの利用方法などについての問い合わせおよび追加オプションを申し込むことはできない

※「Google Drive」はGoogle LLCの商標または登録商標です
※「Box」は、Box, Inc.の商標または登録商標です
※「Dropbox」はDropbox, Inc.の商標または登録商標です
※「Microsoft OneDrive」は、Microsoft Corporationの商標または登録商標です
※「Microsoft Teams」は、Microsoft Corporationの商標または登録商標です
※「Facebook」はMeta Platforms, Inc.の商標または登録商標です

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=岩元 直久

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