ビジネスコミュニケーション手法の改善(第7回) NASでデータ共有。困りごともサポート

セキュリティ機器 ITアウトソーシングクラウド・共有

公開日:2021.08.30

 テレワークなど柔軟な働き方への対応や、円滑な社内コミュニケーションに欠かせないのがデータの共有だ。加えて、データ消失のビジネスリスクとなる集中豪雨や台風など自然災害への対応、事業継続に必要なデータバックアップ。こうしたビジネスデータの保管・管理に役立つのがNAS(ネットワーク設置型ストレージ)だ。

 扱いに慣れたHDD(ハードディスクドライブ)にないメリットもあるが、運用が難しそうにも見える。NTT西日本ではそんな不安を解消すべくトータルセキュリティの観点から、オフィスの困りごとをサポートする“ヘルプデスク”サービスも併せたセット販売を強化している。

信頼性の高いNASで重要データを保管・共有

 パソコンに外付けするHDDとは違い、NASは本社などの社内ネットワーク上に設置し、社員同士の情報共有に利用できるファイルサーバーや、大容量データの保管・バックアップが可能なストレージとして機能する。本社内のパソコンはもちろん、支店・営業所などのリモート拠点のパソコンもフレッツ・VPN ワイドなどの通信サービスを介して本社などに設置されたNASにアクセスすることで、社内データの活用が可能だ。

 NASはIT機器を扱う家電量販店などで入手可能なタイプもあるが、導入後のサポートを含め、安心できる事業者から購入したい。そうした事業者の1つであるNTT西日本では、Biz Box Server 「OSPro」シリーズの名称でNASを提供。企業の規模や扱うデータなど業務内容に応じて選択できる3モデルを用意する。

 いずれのモデルも、大容量かつ高い信頼性が求められるNAS向けのハードディスクドライブを搭載し、5年間の連続稼働を想定した製品設計となっている。また、OSを格納するシステム領域は独立したSSD(ソリッドステートドライブ)を採用。HDDに比べて衝撃に強く、高速なデータ処理が可能だ。

管理機能やバックアップ機能で安全なデータ活用

 ファイルストレージ機能は、ユーザーごとの専用フォルダーや部門別などの共有フォルダーを設定。ユーザーのパソコンからアクセスしてストレージに格納されたデータを利用しながら業務が行える。重要な業務データを保管・格納するNASは管理機能もポイントになる。OSProシリーズは、管理者がWebブラウザーを用いてユーザー管理(管理者およびユーザーを追加・削除、管理する機能)や、ユーザーのアクセス権限(格納されたデータにアクセスする権限)などを設定でき、安全なデータ活用を支援する。

 テレワークにもNASに保管されたデータを活用。自宅や外出先からインターネットを介して、パソコンやスマートフォン、タブレット端末のWeb画面を通じてアクセス。OSPro内のファイルやデータのアップロード、ダウンロードが行える。

 データを共有するファイルサーバー機能に加え、OSProシリーズはデータバックアップ機能も充実。操作ミスなどで消去してしまったファイルやフォルダーも復元可能なスナップショット機能や、Biz Box Serverを2台用意して冗長化するレプリケーション/フェイルオーバー機能に対応。メインのNASが故障した場合、バックアップ機に切り替わりシステムを止めることなく業務の継続が可能だ。さらに、Biz Box Server内のデータをクラウドへバックアップする「Serverバックアップ」を利用すれば、より安心できる。

 重要データを保管するNASのトラブルは可能な限り避けたいが、万一に備えてServerサポートを提供する。Biz Box Server本体と内蔵のHDDをサポートセンターから遠隔監視し、異常を検知したときに企業へ通知する。また代替機を送り、故障機と交換するといった対応も可能だ。

NASにアクセスできなくなる事態も想定

 ファイル共有やデータバックアップなど日常業務に欠かせないNASの安定稼働は当然ながら、何らかのトラブルでNASにアクセスできなくなる事態も想定しておきたい。BizBox ServerのOSProシリーズの異常検知はServerサポートで対応してもらえるが、NASがつながる社内ネットワークに問題があるケースも考えられる。トラブル時には原因の切り分けと適切な対処が必要だ。

 企業の各拠点にはパソコンやサーバーをはじめ、社内ネットワークを構成するスイッチやインターネット接続用のルーター、電話システムなどのICT機器が設置されていて、どの機器が故障しても業務に支障を来すことになる。

 オフィスのICT管理・ヘルプデスクに関わる困りごとをサポートするのが、NTT西日本の「オフィスプライムサポート」だ。「ITリサーチ」「ITヘルプデスク」「ITエイド」の3つのサービスで構成される。

 ITリサーチは社内ネットワークと関連機器の構成を調査し、視える化(見える化)する。この「ICT環境調査」に基づいて、企業ごとの「保守手引書」を作成する。

 ITヘルプデスクはパソコンの使い方からトラブル対応までサポート。土・日・祝日を含め、9時から21時まで相談を受け付ける(年末年始12/29~1/3を除く)。IT担当者が休みでも、サポートを受けられるので安心だ。

 また、利用中のネットワーク機器が故障や不具合が起きたとき、どこに問い合わせたらいいのか分からないといった課題に対応するのがITエイドだ。トラブルに関わる問い合わせを一元的に受け付ける。障害時にはNTT西日本のサポートセンターが企業の保守手引書を基に障害箇所を切り分け、NTT西日本指定の機器について故障修理手配を企業に代わり行う。

 Biz Box Server「OSPro」シリーズの他、企業が導入済みのネットワーク機器などの障害切り分け、修理の手配といったトラブル対応により、業務への影響を小さくすることも可能だ。

自社のITリテラシー不足に対する不安と、トータルセキュリティに対応する

 オフィスにIT担当者がおらず、NASなどのトラブル対応が心配で導入に二の足を踏む企業もあるかもしれない。オフィスプライムサポートを組み合わせて利用することで、トラブル対応の懸念はかなり低減する。トラブル対応は外部の専門家に任せ、企業はビジネスに専念しつつ快適なICT環境を整備できる。NASのファイル共有によるデータの活用、データバックアップによるBCP環境などを推進し、企業のテーマであるビジネスのデジタル化を加速させたい。

※掲載している情報は、記事執筆時点のものです

執筆=山崎 俊明

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