ビジネスシーン別・手土産の選び方(第10回) 新年度の挨拶には伝統と革新の一品を

雑学

公開日:2016.04.21

 年度が改まった時期の訪問は、「今年度もよろしくお願いいたします」という仕切り直しの意味もあり、通常より少し改まったご挨拶になることがあります。中には新しい担当者の顔見せを兼ねてということもあるでしょう。そんなとき、堅い話ばかりでなく、少し会話を弾ませて親近感を得るために、一度で口に放り込めて口の中がいっぱいにならない、小さなサイズの菓子をお持ちするのがお勧めです。

話が弾む。ひと口で食べられる

 “毎日でも食べられるデイリーユースな和菓子”をコンセプトとするHIGASHIYAは、東京・銀座に本店を持ち、伝統を踏まえながらもスタイリッシュで現代的なラインアップをそろえています。

 中でも、人気が高いのが、その名もずばり「ひと口果子」。粒あんで干杏をくるんだ「黒紫(くろむらさき)」、黒糖焼酎に漬けたレーズンを抹茶あんで包んだ「萌葱(もえぎ)」、砕いたクルミを加えたあんにココアをまぶした「桧枝(ひわだ)」など、日本の伝統色の名前がついた小さなお菓子は、話の合間にぽっと口に入れてしまいます。

 お持ちしたものを、その場で出していただき、「せっかくですから」といただいた際に、口の中がいっぱいでしばらく話ができないというのもあまり格好がよくありません。新しい取引先への挨拶で緊張している担当者を、窮地に追い込まずに済みます。

 簡単に切れるので、女性は2つに切って、鮮やかな断面を堪能してから食べてもよいでしょう。ひと口果子は、外見からは想像もつかない深い味わいや少し変わった食感のものも多いので、「なるほど、○○が入っているからなんですね」と盛り上がれるのではないでしょうか。

くせになる味にリピーターも多い

 「ひと口果子」の中で、1つだけ色の名前がついていないものがあります。それが、棗(なつめ)バターです。種を抜いて乾燥させた棗椰子(なつめやし)に無塩発酵バターを合わせ、クルミを添えたものですが、その和菓子とも洋菓子ともつかない、独特のおいしさにファンは多く、タレントの優香さんもテレビで紹介したことがあるのだとか。

 棗椰子はデーツとも呼ばれ、中東やアフリカなどでよく食べられています。ビタミンやミネラル分を豊富に含み、完全栄養食といわれることもあります。干し柿に似たねっとりとした甘さですが、くどくはないので「甘いものは苦手だけど、これだけは好きで」という方もいるそうです。日本茶にはもちろん、コーヒーにも紅茶にも、さらにお酒にも合うと万能なので、どんなシーンにお持ちしても喜ばれます。

上質なパッケージで、ビジネス手土産にぴったり

 「ひと口果子」は、和紙や桐箱、革ひもなど、こだわりのある上質なお包みもビジネス手土産にぴったりです。銀座本店なら、棗バターを含む12種類の中から好みのものを4個以上選んで詰め合わせてもらえます。

 東京・青山にあるHIGASHIYA manとオンラインショップでは、Aセット(棗バター、鳥の子、紫根、深支子、路考茶、桧枝の6個入り)、Bセット(黒紫、柑子、萌葱、牡丹鼠、薄香、濃紫の6個入り)のほか、棗バターだけ(6個入り)を購入することもできます。いずれも税込1944円です。

 伝統と革新のバランスが絶妙なHIGASHIYAの「ひと口果子」にならって、これまでの付き合いを大切にしつつも、さらなる創造性を模索するような、新たな関係性の提案をしてみてもいいかもしれません。

HIGASHIYA
http://www.higashiya.com/

※掲載している情報は、記事執筆時点(2016年4月)のものです

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