ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
手土産選びは相手の好みに合わせて、というのが基本です。訪問先の担当者が甘党なら和菓子やチョコレートなど、辛党ならせんべいなどを選ぶ、というわけです。ところが、初めての訪問先で担当者の好みが分からない……そんなときには、「甘くて辛いもの」をお持ちするのはどうでしょうか? 御菓子司・中里の「揚最中」なら、きっと甘党も辛党も満足してくれるに違いありません。
揚最中は、1873年から続く御菓子司・中里の看板商品です。日本橋で営業を始めたものの関東大震災で被災したため、1923年に現在も営業している東京・駒込に移転。昭和になって三代目の鈴木嘉吉さんが考え出したのは、ごま油で揚げた最中の皮に北海道十勝産のあんを挟み、伊豆大島産の焼き塩をパラリとふった、不思議な最中でした。
一見洋菓子のようにも見えるこの最中、初めて食べる人はたいてい少しびっくりします。甘いような、塩辛いような、いや、やっぱり甘いような……今まであまり食べたことのない不思議な味に、1つではおさまらず、2つ、3つと手が伸びることが多いため、できれば、少し多めに持参することをおすすめします。
甘党はもちろん辛党にも、また、普段あまり和菓子は口にしないという人にも喜んでもらえること請け合いの揚最中ですが、持参する際に注意していただきたいことがあります。訪問先に行く直前に購入する、そしてお渡しする際に「なるべく早く食べてほしい」と言い添えることです。
というのも、この最中の美味しさを支えているのが、パリッとした皮の歯ざわりと、噛んだ瞬間にふんわりと鼻に抜けるごま油の香ばしい香りなのです。時間がたつとあんの水分で最中の皮が湿気てしまい、それが十分に味わえなくなります。本来ならば、焼き立てをすぐにお届けしたいところですが、まさか打ち合わせの時間を揚最中のできあがりの時間に合わせるわけにはいかないので、せめて直前に購入を、ということなのです。
ちなみに、一般のご家庭へお持ちする場合は、トースターかフライパンで軽くあぶると、焼き立てに近い風味になります。
この揚最中、作詞家の秋元康さんやファッションモデルのSHIHOさんもお気に入りで、大事な人へのお使い物にすることも多いのだとか。また、「おいしゅうございます」の言葉で有名な食生活ジャーナリストの岸朝子さんも、自著の中で紹介しています。美味しいものをたくさん知っているであろう彼らがそこまで惚れ込むとは、その実力のほどがうかがえるというものです。
駒込の本店のほか、大丸東京店の菓子売り場でも購入が可能なので、出張帰りに話のタネとして購入されてはいかがでしょう。その際は大丸東京店限定の「揚げ最中手作りセット」のほうが安心です。最中の皮とあんが別々にパックされていて、付属の木のさじを使って、食べる直前に最中にあんを挟みます。皮が湿気ることがないので、焼き立てに近い味が楽しめます。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2015年8月)のものです
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ビジネスシーン別・手土産の選び方