社員に徹底したい急務のマター(第1回) サポート終了間近。Windows Server 2008/R2

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公開日:2019.03.13

 多くの企業・団体でサーバー用の基本ソフトウエアとして広く使われてきた、「Windows Server 2008」と「Windows Server 2008 R2」。そのサポートがいよいよ2020年1月14日をもって終了する。残された期間は、わずか1年弱だ。Windows Server 2008/R2のユーザーは、1日も早く対策に取りかからなければならない。

サポート終了で高まるセキュリティのリスク

 Windows Serverのサポート終了(EOS)がそれほど重大なのは、セキュリティのリスクが高まるからだ。それまでは、Windows Serverに潜む脆弱性を取り除くのにマイクロソフトがセキュリティ更新プログラム(いわゆるセキュリティパッチ)を配布していた。だが、サポート終了後は提供されなくなる。問い合わせにも応じてもらえなくなる。障害発生時の対応も極めて難しくなる。

 この問題を回避するには、使用中のWindows Server 2008/Windows Server 2008 R2を最新のバージョンにアップグレードするのが一番だ。現時点での最新版はWindows Server 2019(2018年10月発売)だ。既存のハードウエア・ソフトウエアとの互換性が気になる場合は、その1つ前のバージョンに当たるWindows Server 2016(2016年10月発売)に切り替えてもよいだろう。

 もう1つの選択肢として、Windows Serverをオンプレミス(自社運用)で使うのをやめて、使用中の業務アプリケーションをパブリッククラウドに移行する対処法もある。具体的には、パブリッククラウドが提供する“貸しスペース”で最新のWindows Serverを動かし、その上で従来の業務アプリケーションを稼働させる仕組みになる。

 パブリッククラウドを利用して最新版のWindows Serverに移行する最大の利点は、新しいWindows Serverのためのハードウエアを、ユーザー側で用意する必要がないことだ。短期間で使用可能になるので、ハードウエアの納入を何カ月も待たなくて済む。

 また、パブリッククラウドでは“貸しスペース”とWindows Serverの利用料金を月払い・年払いとして支払うのが一般的。資産として帳簿に計上しないオフバランス化(簿外化)が図れる。財務会計的にも魅力がある。

IT基盤を刷新するチャンス

 IT基盤の構築・運用に関わる情報システム担当者にとって、Windows Serverのサポート切れは導入から年月がたって陳腐化したハードウエア、ソフトウエア、ネットワークを刷新する格好の機会となる。世界レベルで起きるサポート切れへの対処となれば、経営層の承認も取りやすくなるはずだ。5~10年先を見通した整備計画を策定し、Windows Server 2019/2016へのアップグレードと一体で、IT基盤を整備していけばよい。

 例えば、業務システムの基盤をクライアントサーバー型からハイブリッドクラウド(オンプレミス+パブリッククラウド)に変更する。働き方改革を推進する基盤として、自宅や出張先からも業務ができる仮想デスクトップ基盤を導入してもよいだろう。さらには、刷新したIT基盤を、製品やサービスのデジタル化によってビジネスモデルを変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の実践に活用する展開も考えられる。

 “やらされ感”から必要最小限の対応だけを受け身で行うだけではもったいない。最新Windows ServerへのアップグレードをIT変革の機会として活用する。そうした積極的な取り組みが、今、日本の企業・団体に求められている。

執筆=山口 学

【MT】

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