人間関係で悩まない!苦手な人が気にならなくなる技術(第7回) 人と関わることで可能性が広がる(上)

コミュニケーション

公開日:2018.12.04

 人間関係で疲れるときは、自分の勝手な「臆測」に振り回されていることが多いんです。ちょっと相手が不機嫌だっただけで「嫌われているのではないか」と心配して、距離を取ってしまうことってありませんか?

 第1回第2回で苦手な人はどうしても存在するとお伝えしましたが、早々と人間関係を断っている人が多いように感じて、それはとてももったいないことだと思います。

 「この人、苦手かも……」と思っても、実際にコミュニケーションを取ってみたら意外とうまくいった、なんてことも多くあります。その人間関係からチャンスが広がることもある。何より、人と関わることで、私たちは成長できるのです。

勝手な臆測に振り回されない

 私たちは、日々さまざまな臆測に振り回されています。

 ある会社員の話です。同じ課に5歳年上の先輩がいたそうです。後輩たちに細やかにアドバイスしたり、厳しく指導したりする面倒見のいい先輩です。それなのに、なぜか自分には何も教えてくれない。それどころか、ほとんど話しかけてもくれないことが気になっていました。

 あるとき、彼女はこう思ったと言います。

 「なぜ私だけ放っておかれるのだろう。他の人にはいろいろアドバイスをしてあげているのに……。もしかして先輩は、私のことが嫌いなのではないか」

 こんなセルフトークを頭の中で繰り広げてしまうことは、誰もが経験あるでしょう。でもこれは勝手な解釈・臆測であって事実ではありません。このマイナスの臆測によって、彼女は自分を全否定されたかのように落ち込んでいたそうです。

 しかし、あるとき思い切って先輩に確認してみたところ、実際はとても優秀な後輩だと信頼していたため、口出しせずに任せていたというのです。

 相手に確認してみたら「なんだ、そうだったのか」と、臆測と違っていることは意外にあります。頭の中で臆測が始まったら、まず自分にこう問いかけてください。「これは事実かな?それとも臆測かな?」と。

 そして、相手に聞けるようであれば、事実を確認してみましょう。相手に尋ねにくい場合は「事実は分からない。これ以上、私がアレコレ気にしても仕方ない」と臆測をストップすることも大切です。

 ちなみに、特に女性は臆測をしやすい傾向にあるので、これを知っておくだけでも相手との関わり方が変わってくるはずです。

「YES」か「NO」かは相手が決める

 セミナーの受講生の中に、営業の仕事をしている男性がいました。彼はお客さまに対してテレアポでの営業活動をしていたのですが、「相手が忙しいのではないか」「迷惑なのではないか」と思ってしまい、電話を掛けるのが怖いと言っていたんです。

 そこで、私は彼に「YESかNOかを決めるのは相手。あなたじゃないよ」と話しました。

 お客さまに電話して「今、お時間大丈夫でしょうか?」と聞いて、もし忙しければ「今は難しい」と応えますよね。そして掛け直せばいいだけ。

 電話を掛ける彼の心理には「NOと言われることが怖い」という思いもありました。誰だって断られ続けたら落ち込みますし、「次もダメなのではないか……」と電話を掛けることが怖くなるでしょう。

 でも、それは「あなたがダメ」なのではなく、たまたまタイミングが合わなかったり、扱っている商品やサービスが相手のニーズに合わなかったりしただけ。自分の努力だけではどうしようもないこともあります。

 それを自分自身へのNOのように捉えてしまうと、つらくなります。そこをしっかり切り離して考えられると、行動に迷いがなくなりますし、仕事をうまく引き寄せられるようになります。人からしか、仕事のチャンスはやってきません。うまく波に乗れる人は、怖がらずに人にぶつかっていき、自分で縁を広げています。

 私に相談してくれた営業担当者も、その後、「YESかNOかは相手が決める」という言葉を聞いて、気持ちを切り替えられるようになった、とうれしい報告をしてくれました。

 NOを恐れると同時に、気遣いという名の遠慮でご縁を逃している人も多いと感じます。

 「忙しそうだったので、食事には誘わなかった」
 「きっと興味ないだろうと思って、声を掛けなかった」

 いわば、全部勝手に臆測をして、気遣いのつもりの遠慮になっていますね。こうした場面でも、YESかNOかは相手が決めるのだから、と考え、打診してみる。ぜひ相手に関わってみてください。

 ここで、私の大好きな言葉をご紹介します。徳川家の剣術指南をした柳生家の家訓です。

 小才は縁に出あって縁に気づかず
 中才は縁に出あってこれを活かさず
 大才は袖振り合う他生の縁もこれを活かす

 才能のない人は、ご縁に出合っても気付かない。普通の人はご縁に出合っても、それを生かすことができない。優れた才能を持つ人は、ちょっと袖が触れ合うだけでもこのご縁を生かすことができる、ということです。

 苦手な友人も、クレーム相手も、お客さまも、自分から関わってみると思いがけない展開を生むことが多くあります。新しい扉が開くかもしれないのに、それを自分から遠ざけてしまうなんてもったいない。身近にある人間関係を大事にしてほしいのです。恐れずぶつかってみてください。そして、そこから得られるご縁をぜひ大事にしてくださいね。

 私も振り返れば、常に身近にあるご縁を大切にしてきたからこそ、今があります。いろいろなチャンスや仕事は、どこか遠くからではなく、身近な人からつながってくることのほうが、はるかに多かったと感じています。

執筆=山﨑 洋実

コミュニケーションコーチ。1971年静岡県生まれ。大手英会話学校勤務時代に、接客&人材育成の楽しさを知る。2000年にコーチングに出合い体系的に学ぶうちに、これまでやっていたことがコーチングだったと知る。出産後、身近なママ友向けに始めた講座「ママのイキイキ応援プログラム」は常に笑いあり、涙ありで心に響き、かつ本質を伝える講座として瞬く間に全国区へ。講座内容が仕事にも役立つことから企業研修、講演会を全国で開催。

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