人間関係で悩まない!苦手な人が気にならなくなる技術(第2回) みんな違うパターンを持っている(下)

コミュニケーション

公開日:2018.07.03

 第1回では、行動パターンの「積極的」「仕切る」「受け身」について解説しました。第2回では思考のパターン、感情のパターンについて、日常生活の具体的なシーンを使って解説したいと思います。

思考のパターン ~未来派思考と今ここ思考~

 思考のパターンとは、どんなものでしょう。私には中学生の息子がいますが、小学生の頃、一緒にアニメを見ていたときのことです。アニメの主人公がこんなことを言いました。

 「人生たった一度きり!後先考えずにやりたいことをやろうぜ!」。

 私はそれを聞いて、「なかなかいいこと言うわ!」と思ったのですが、隣にいた息子は一言、こうつぶやきました。

 「お母さん、この人よくないよね。だって後先考えずにやったら、周りが迷惑でしょう?」。

 私にはまったくその考え方がありませんでしたから、とても驚きました。息子は、行動する前にまず周りの人のことを考えるタイプ。私は、自分がどうしたいかをまず考えます。10年以上一緒に過ごした親子でも、こんなに思考のパターンが異なるのです。

 職場でも、思考のパターンは人それぞれです。例えば、仕事に対する考え方も2つに分かれます。3年後、5年後、10年後はこうなっていたい……と、常に自分の未来のビジョンを掲げ、目標に向かってまい進する「未来派思考」と、この人と一緒に仕事をすることがワクワクする、任されたこの仕事を成功させようなど、自分が常にいい状態で仕事をすることが理想だと考える「今ここ思考」です。

 私はどちらかというと「今ここ思考」の人間です。コーチングを始めたとき、「10年後はテレビに出演して本を出版したい」なんて考えてもいませんでした。ただ、キャリアプロセスの中で、コミュニケーションやコーチングに興味を持ち、それを誰かに伝え、誰かがちょっとだけ元気になったり、幸せになったりするのを見るのが楽しくて続けてきた結果、12年目を迎えたというのが正直なところです。「未来派思考」も「今ここ思考」も、どちらが正しいということはありません。ただ、その人の思考のパターンなのです。

感情のパターン~喜怒哀楽の感じ方~

 感じ方や感情にも、人それぞれのパターンがあります。例えば、同じ失敗をしたときでも「もうダメだ……」と落ち込んで自分を責めてしまう人もいれば、「済んだことは後悔しても仕方ない。さぁ次、頑張ろう!」と比較的早く立ち直れる人もいます。

 また、ちょっとしたことですぐに怒る人と、「まあそういうこともあるよね」とケロリとしている人もいます。ある人にとっては楽しいことが、他の人にとってはさほど楽しくないこともあります。物事に対する喜怒哀楽の感じ方も人それぞれ。感じる強さも、その人次第。優劣はつけられない1人ひとりのパターンがあります。

自分のパターンが分かれば、他人のパターンも見えてくる

 人は行動、思考、感情において、それぞれ違うパターンを持っている、ということは理解していただけたと思います。みんな自分にとっては当たり前なのですが、他人のパターンは自分の世界にはない感覚なので、「なんで?」と理解しにくいのです。そして、理解できない代わりに、相手に自分のパターンを押し付けて、人と戦ってしまうのです。

 それに関するコーチングの考え方はこうです。

 ――「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来」

 ですから、人と戦わないコミュニケーションの第一歩は相手を変えることではなく、まずは「自分を知る」ということ。「自分のパターンなんて、もう知っているよ」と思うかもしれません。でも、実は、自分のことはよく分かっていないものなのです。なぜなら、自分にとっては当たり前過ぎるから……。得意なことや苦手なこと、何に喜びを感じ、何をつらいと感じるのか、これから一緒に確認していきましょう。

 自分のパターンが分かれば、それと比較して相手のパターンも見えやすくなります。自分自身を見つめ、理解することで、同時に周りの人のパターンも見えてくるようになるのです。そうすると、「あの人はこういうパターンで動く人」と自分との違いを冷静に理解でき、人間関係の悩みはグンと減ります。

 実は、「自分を知る」ことのメリットがもう1つあります。自分の普段のパターンを知ると、必要なときに違うパターンを選択することができるのです。例えば、先ほどの手の組み方。いつも右親指を上に組むことに気付かなければ一生その方法しかできません。しかし、自分が右親指を上に組むパターンだと気付けば、「左親指を上に組む」という別の選択肢が生まれます。そう、自分のパターンに気付けば、いつもとは違うパターンを選択できるようになるのです。これが人としての幅を広げることにつながっていきます。

まとめ
1 人にはそれぞれパターンがある
2 パターンに優劣はない。パターンの違いを知ることが大事
3 自分のパターンを知ると、いつもとは異なるパターンを選択できる

執筆=山﨑 洋実

コミュニケーションコーチ。1971年静岡県生まれ。大手英会話学校勤務時代に、接客&人材育成の楽しさを知る。2000年にコーチングに出合い体系的に学ぶうちに、これまでやっていたことがコーチングだったと知る。出産後、身近なママ友向けに始めた講座「ママのイキイキ応援プログラム」は常に笑いあり、涙ありで心に響き、かつ本質を伝える講座として瞬く間に全国区へ。講座内容が仕事にも役立つことから企業研修、講演会を全国で開催。

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