めざせデジタルインフラの構築(第4回) 手軽化が進む監視カメラによる防犯対策

セキュリティ機器 トラブル対応ビジネス機器

公開日:2018.01.05

 オフィス・店舗の防犯対策用として「監視カメラ」の導入が広がっている。少し前までは高価で、一部の企業向けに設置される印象があった。しかし最近では、通販や量販店でも手軽に入手できるようになった。その効果、実力はどうなのかを検証する。

 オフィス・店舗の防犯強化策としてまず思い浮かぶのは、警備会社と契約する方法だ。警察庁の調べでは、2016年時点で全国に9434の業者があり、所属する警備員数は54万人に上る(「平成29年警察白書」から)。施設内に警備員を配置するスタイルだけでなく、センサー、カメラなどもICT(情報通信技術)の進歩で高性能化が進み、最近は異常検知と同時に警備員が現場へ駆け付ける「機械警備」も普及している。

 機械警備用のカメラやセンサーが、窓の開閉やガラス破壊、人の動きなどを検知する。異常発生時には指令室から最寄りの警備員に急行指示が出され、速やかに現場へ向かう。この仕組みは夜間無人になる場所を中心に広く導入され、オフィス・店舗での採用も多い。

 こうした警備会社のシステムを導入する際には、相応のコストが発生する。これを高いと見るか否かはケース・バイ・ケースだが、導入をためらう中小企業や個人事業者は少なくないだろう。

市販カメラ設置でコストの不満解消

 そこで選択肢として出てくるのが、「警備員の駆け付けはないにしても、自前で機器をそろえて監視を行う」方法だ。監視カメラやセンサーを購入して設置するだけなら、ランニングコストを抑えながら、ある程度の防犯効果は期待できる。

 屋外設置可能な監視カメラをはじめ、窓に取り付けるセンサー、人の動きを感知して点灯するライトなど、数多くのセキュリティ関連商品が販売されている。その性能はさまざまで、自社にあった製品を選ぶことができる。いくつかスペックを見てみよう。

「SecuSTATION」シリーズ(新鋭)

 「SecuSTATION」シリーズは、防犯カメラ専門メーカーである新鋭が開発したネットワークカメラだ。中でも「SC-831NH1」は豊富な機能と、多彩な遠隔操作が可能なモデルだ。録画機能は、常に録画を行う「連続録画」、画面の指定範囲内で動きがあった際に録画する「動体検知録画」、あらかじめ決められた時間帯だけ記録する「スケジュール録画」の3モードから選択が可能。「無人になる夜間のみ」「定休日だけ」といった、さまざまなニーズに対応してくれる。撮影した動画は有線LANケーブル、もしくはWi-Fiで伝送され、ユーザーはパソコンやスマートフォンからリアルタイムで映像を確認できる。

 一般的なネットワークカメラは、撮影した動画を記録するレコーダーが別売りの場合が多い。本機種は本体にSDカードスロットを内蔵し、単体での動画保存が可能だ。連続録画モードでは、SDカードの容量がいっぱいになると古い部分から上書きしていく。残り時間を気にせず運用できるだろう。屋外に設置する場合に必要となる防じん・防水機能については、台風などの激しい雨にも耐えるレベルとされる、国際規格「IP66」をクリアしている。

「QBiC CLOUD CC-1」(エルモ)

 光学機器メーカー、エルモの「QBiC CLOUD CC-1」は、同社の小型デジタルカメラ「QBiC」シリーズをプラットフォームとして、業務用レベルの性能を手軽に使えるよう開発した「カンタン防犯カメラ」である。

 高さは10cmほどで、スマートフォンと変わらない。防犯カメラというより、パソコンに取り付けるWebカメラの感覚だ。重量も184gと軽く、壁面や天井に設置しても目立たない。

 従来の防犯システムはカメラのほか録画機器、サーバーなど複雑な設定作業が必要だった。専門業者に依頼せざるを得ないケースも多かった。QBiC CLOUD CC-1は防犯カメラ用クラウドレコーディングサービス「Safie」に対応し、簡単な設定でスマートフォンからカメラ映像のライブ視聴、および録画サービスを利用できる。

「スマカメアウトドア CS-QR300」(プラネックスコミュニケーションズ)

 侵入事件が多発する夜間の撮影に強みを持つ商品も登場している。本製品はごく微弱な光でも検知して電気信号に変換する、高感度CMOSセンサーを採用。最低被写体照度0.1ルクス(月明かり程度)という低照度性能を実現する。一般的に、夜間撮影用には赤外線を使用するカメラが多い。本製品は赤外線を一切使わず、カラー撮影を行える。

 また、本製品は同社が提供する業務用アプリ「スマカメPro」に対応する。複数台モニタリング、録画、再生が可能な本格的監視・防犯システムの構築が可能だ。エントランス、駐車場、事務所など、いくつかの場所にカメラを設置して同時に管理したい場合、このような拡張性を持つ機種を検討する価値はあるだろう。

防犯用監視カメラはどう選ぶか

 それでは、最後に防犯用監視カメラの導入に際して、チェックするポイントをまとめてみよう。まずは、どの程度の範囲をどのくらいの画質で撮影したいのかをはっきりさせることだ。これにより、カメラの画質や画角を絞れる。

 スマートフォン内蔵カメラの高画質化が示すように、最近のデジタルカメラは数100万~1000万画素以上のスペックを持つ機種が広く流通する。そして価格は低下を続けている。侵入者の姿が「ぼんやり」と映った昔のアナログビデオカメラ映像と比較すると、その違いは明らかだ。赤外線による暗視に対応するモデルも増えている。画角もかなり広範囲で撮影可能なモデルがある。不審者を逃さず撮影できる環境が整ってきたといえる。

 次に、どのようにどれくらい記録に残すのかを考え、ネットワークに対応しているかどうかもチェックしたい。動画データはHDDなどに記録されるが、その録画時間はまちまちだ。必要な録画時間が確保できる製品かどうかを確かめたい。また、夜間従業員がいない施設に設置する場合には、動画を離れた場所でチェックする必要がある。そのためにはネットワーク対応が不可欠になる。

 実際の導入で見落としがちなのが電源の確保だ。防犯のためには出入り口付近に設置する必要があるが、そこで電源は取れるのか。出入り口用の照明や看板などからも電源は分岐させられる。工事店に相談してみよう。

 

執筆=林 達哉

【M】

あわせて読みたい記事

連載バックナンバー