使わないと損をする!補助金・助成金獲得法(第2回) 最新情報をウオッチ。もらえる助成金を逃がさない

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公開日:2015.10.23

 事業拡大や人員増加に伴って、雇用や設備には投資が必要になります。それらの費用を軽減すべく、国の助成金を受けようとしている人は多いでしょう。

 前回紹介した補助金と比べ、助成金は受給を受けるためのハードルが低くなっています。補助金は応募条件を満たした上で補助金の支給を受ける必要性をアピールし、当該機関に認めてもらう必要があります。一方で助成金は、応募条件を満たしてさえいれば申請するだけでほぼ確実に受給が可能です。

 助成金を支給しているのは、主に厚生労働省・商工会議所・各市町村・行政法人などです。各機関の出している助成金の種類は非常に多く、厚生労働省だけでも50種類以上もあります。助成金は、社会情勢などによって内容や条件が変更されたり、それまであった助成金を撤廃して代替となる新たな助成金を募集したりするので、常に最新の情報を追いかけることが重要です。

 それでは、実際に助成金の受給を考えている人は、どのように該当する助成金を探し、動けばよいのでしょうか。3つのポイントを紹介します。

ポイント1:助成金をテーマ別に振り分けて考える

 助成金は種類こそ多いですが、軸となるテーマは限られています。大きくジャンルを分ければ「雇用」「事業展開」「創業」の3分野になります。この中に多くの種類の助成金があります。まずは、どの分野を探すのか方向性を絞りましょう。

 分野を絞った後、受給で何がしたいのかを明確にすることで、該当する助成金は見つけやすくなります。例えば、雇用分野で用意されている助成金と目的には以下のようなものがあります。

・人手が足りないため、高齢者など就職困難者を雇用したい場合
特定求職者雇用開発助成金
・経営は悪化したが、従業員の「雇用」をなんとか維持したい場合
雇用調整助成金

 支給される金額は該当する助成金によってさまざまですが、特定求職者雇用開発助成金では就職困難者を雇うことで事業主に60万円が支給されます。また雇用調整助成金では、対象となる従業員の人数分支給され、1日の上限額は1人に対して7810円です。受給できる期間は最大で1年の間に100日分、3年の間で150日分になります。

 こうした助成金は数多く存在しますが、実際に利用している企業経営者はそれほど多くありません。その理由の1つは、単純に情報が分かりにくいからです。慣れない事業者たちは、受給するためのタイミングや機会を逃し続けてしまうことが多いようです。つまり、利用できる助成金を探すところにハードルがあるのです。それでは、どのように助成金を探せばいいのでしょうか。

ポイント2:雇用関連なら、厚生労働省の公式Webサイトで検索

 雇用分野の助成金関連の情報を探すのであれば、おそらく厚生労働省が一番頼りになるでしょう。厚生労働省の公式Webサイトには、最新の助成金制度などの情報から、すでにある助成金の適用条件・申請方法まで詳細に記載されています。

 ただ、厚生労働省にある情報は非常に種類が多いので、目当ての助成金・補助金に関する掲示を発見するのは大変です。そんなときはサイトの右上にある、「サイト内検索」を使うと効率的です。探したい助成金について、「雇用 助成金」などのキーワードを入れればこれから受け付け開始のものから、すでに受け付け中のものまで関連記事を表示してくれます。助成金は随時新しい制度が立ち上がるので、定期的に確認するようにしてください。

 こうした手順で助成金のテーマを絞り、厚生労働省で受給したい(あるいはできそうな)助成金をいくつかピックアップしたら、実際に申請可能かどうかを行政書士・社会保険労務士、中小企業診断士などの専門家に相談しましょう。

 助成金に関しては、ハローワークなどの行政関連の相談窓口を活用したり、行政書士事務所などの信頼できる専門家を見つけておいたりすることもポイントです。経営者は実務に追われ、受給手続きをきちんと行う時間が取れない場合も多いでしょう。行政書士に手続きから申請までを代行してもらうのも可能ですから検討してください。

 申請手続きの内容や条件は該当する助成金によって異なりますが、雇用に関するものであれば申請書類の提出以外にも、雇用保険への加入手続きなどが求められます。雇用する人材の労働条件や、正社員・パートといった属性などの各種書類も提出する必要があります。助成金の申請を断念してしまうのは、こうした煩雑な手続きに手が回らないケースが多いようです。こうした面を専門家にカバーしてもらうのです。

 助成金は申請してから受給できるまで、大体6カ月から1年程度はかかります。その期間、通常業務を行いながら経営者自身が手続きを行うのは非常に困難でしょう。行政事務所ではこれらの手続きを一貫して請け負ってくれます。費用は事務所にもよりますが、申請する助成金の受給額に対して10~15%が相場のようです。

ポイント3:商工会議所やハローワークで情報収集

 雇用分野の助成金情報なら、厚生労働省のWebサイトだけでも十分に集められます。しかし、「事業展開」や「創業」分野の助成金の情報はカバーしきれません。また、定期的にWebサイトを確認するのも容易ではありません。

 ですから行政機関の各種窓口や商工会議所には、積極的に足を運ぶようにしておくとよいでしょう。特に商工会議所には助成金や補助金の最新情報が集まっており、人脈づくりや情報交換の場として非常に有効です。条件がよく、受け取りやすい助成金は多くの企業が利用します。他の会社の利用状況を教えてもらうことは非常に参考になります。

 ハローワークにも、最新の助成金・補助金を紹介するパンフレットなどが多く用意されています。気になる助成金があれば、そのまま窓口で相談できるのでとても便利です。情報を収集しつつ、受給するために有利な人間関係を構築しておけば、より効率的に助成金手続きが進められるでしょう。

まとめ:条件を満たせば何度も受給できる。最新情報の収集を!

 国や地方自治体は、雇用や生産性向上に対して助成金使った企業経営を手厚くサポートしています。正しい手順と手続きさえすれば助成金は高確率で受給することができます。制度に気付かなかったり、手続きを面倒に考えてしまったりする経営者が非常に多いのですが、せっかく支給してもらえるものを使わない手はありません。

 多くの助成金の受給は1回限りではありません。条件を満たせば何度でももらうことができます。助成金の最新情報を見逃さないためにも、各役所には頻繁に顔を出しておきましょう。「インターネット」「行政書士事務所」「商工会議所や行政機関の助成金担当窓口」の3つを上手に活用し、該当する助成金を支給してもらえるように頑張ってみてください。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2015年8月)のものです

執筆=鮎川 大

関西で活動する営業出身のフリーライター兼ディレクター。ビジネス系のコンテンツを中心に、医療・ファッション・食品・HPのトップページなど幅広い分野に精通。またサイトの運営・管理から外注のディレクションまで一貫して請け負い、コミュニケーションを重視するのが特徴。

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