ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
働き方が多様化し、もはや働く場所はオフィスだけではなくなりました。たとえ外出中であっても、ノートパソコンをWi-Fi環境やモバイル回線に接続すれば、どこでもWeb会議やビジネスチャットが利用でき、オフィスと同等に働くことが可能です。わざわざノートパソコンを使わなくても、スマートフォンやIP電話でも、Web会議やビジネスチャットが利用できます。これらは当然、音声通話にも対応しているため、むしろノートパソコンよりも重宝しているビジネスパーソンも多いかもしれません。
総務省が発表した令和3年の情報通信白書によると、音声通話サービスのうち、携帯電話など移動通信、および0AB~J型(※)のIP電話の加入契約数は年々増えています。この調査は法人だけの数値ではなく民間も含んだ数値ですが、テクノロジーが進歩した現在も、電話が今も重要なコミュニケーション手段であることがうかがえます。
※0AB~J…「06-XXXX-XXXX」のような、一般の固定電話に割り当てられている10桁の電話番号のこと
出典:総務省「令和3年 情報通信白書」
もちろん、電話が万能というわけでもありません。先の情報通信白書では、固定電話の契約数が年々減少しつつあるように、オフィスに設置されている固定タイプの電話については、見直しが必要になるかもしれません。
固定電話の場合、外出が多い営業担当者への取り次ぎにおいては、スムーズな対応が難しくなります。もし外出中の営業担当者宛に電話がかかってきた場合、以下の4つのステップを踏む必要があります。
(1)オフィスにいる従業員が電話を受ける
(2)営業担当者が不在のため、一旦電話を切る
(3)外出中の営業担当者に電話やメールなどで電話があった旨を伝える
(4)営業担当者が、オフィスに電話を掛けてきた相手に電話をかける、
このように固定電話の場合、対応するまで多くの時間がかかってしまいます。また、スムーズな連絡が取れない可能性もあり、顧客や取引先にストレスを与えかねません。
これら以外にも、テレワーク対応における諸課題があります。例えば、コロナ禍の影響によってテレワークが普及したことで、従業員はオフィスだけでなく、自宅やサテライトオフィスなどさまざまな場所で働くようになりました。そのため、オフィスの固定電話に電話がかかってきたとしても、従業員はオフィスにいないため電話取り次ぎが難しくなります。さらに、テレワークをしている従業員のために、他の従業員が電話番のために出社しなければいけないという、本末転倒な事態も発生することになります。
これ以外にも、固定電話があることで従業員が自由に着席場所を選んで仕事をする「フリーアドレス」が導入しにくくなる、といった問題もあります。働き方が多様化し、ビジネスにおける電話の在り方も変わりつつある中で、これまで通りの固定電話を基準とした運用では、デメリットが生じてしまう可能性があります
こうした固定電話に起因する課題は、「クラウド電話」に切り替えることで、簡単に解決することが可能です。
クラウド電話とは、スマートフォンやパソコンなど、さまざまな端末から固定電話番号での外線通話ができるサービスのことです。テレワークや外出先でも、オフィスと同等の電話環境が構築できます。
クラウド電話の導入によって、これまでオフィスで利用していた固定電話の番号を従業員一人ひとりが持つ端末に付与できるため、自宅や外出先、サテライトオフィスなど、場所を問わずに電話をダイレクトに発着信が可能になります。そのため、テレワーク時に電話番のスタッフが出社したり、外出中の営業担当者に取り次ぎがうまくいかなかったりといった問題も避けることができます。
さらに、オフィスを新設する際やレイアウト変更を実施する際、現地での電話関連工事なども不要となります。もし人員が増えたとしても、インターネット上で設定が変更でき、端末の追加も容易です。このほかにも、社内通話は内線として利用できるといった機能などを持つサービスを活用すれば、拠点間通話が多い場合には通話料の削減にもつながる可能性があります。
オフィスで働くことはもはや当たり前でなくなってきた現在、従来の電話環境のままでは、従業員やスタッフの業務効率が落ちてしまう恐れがあります。ニューノーマル時代の、場所に縛られない働き方には、場所に縛られない電話が適しています。
テレワークを行っているが電話関連で不満を抱えている場合、もしくはこれからテレワークやフリーアドレス化を検討している企業は、クラウド電話の導入が、業務をさらに効率化し、生産性をさらに向上してくれることでしょう。
執筆= NTT西日本
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