近畿大学さまの事例概要
電子教科書のアノテーション機能を活用して、
学びをもっと主体的に、もっと対話的で深い学びに!

近畿大学さまでは、建学の精神である「実学教育」と「人格の陶治」を基盤に、これからの予測不可能な時代を生き抜き、社会に貢献できる人材の育成をめざし、教育の質を高める新しい手法を取り入れています。その一環として、マーケティング戦略論の講義で電子教科書・教材配信ソリューションEDX UniTextを導入。EDX UniTextのアノテーション機能を活用した講義では、学生が主体的かつ積極的に学びに取り組む環境を整えています。
- EDX UniTextはNTT EDX社が提供するサービスです。
EDX UniText導入の背景
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近畿大学
経営学部 商学科
講師 瀨良 兼司さま -
私が担当する専門科目では、専門知識の習得だけではなく、それが社会とどう関わるかを考えながら、キャリア形成や社会人基礎力の育成も重視しています。教員と学生間の対話だけではなく、学生同士の学びあいによって、学生が自ら考え、参加する講義をめざす中で、電子教科書・教材配信ソリューションEDX UniText(以下、EDX UniText)が利用できると考え、導入を決めました。
紙の資料では作成や、印刷、LMSへのアップロードなど手間がかかりますが、EDX UniTextなら資料や動画リンクを教科書に直接埋め込めるので、スライド不要で講義が完結。準備も効率的になり、教員にとっても大きなメリットです。
講義での3つの工夫
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瀨良さま
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EDX UniTextを活用した講義において、学生の主体的な参加を促すために3つの工夫をしています。
- 初回ガイダンスでの実演
初回の講義では、私自身がEDX UniTextを操作しながら「マーカーはこのように使えます」「テキストボックスでメモも書けますよ」と実演します。新しいツールへの抵抗感を和らげ、学生自ら試してみたくなるような雰囲気をつくっています。
EDX UniTextは、紙の代替ではなく学生の学びを豊かにする新しい体験です。「まずは、一緒に使ってみましょう」と声をかけることで、講義への前向きな参加を促しています。 - 予習を活かした準備
私の講義では、知識の一方通行的な講義ではなく、アウトプットの機会を設けながら学生の力を引き出したいと考えています。そのため予習が重要です。EDX UniTextでは、マーカーやテキストボックスを使って予習内容を記録・共有できます。マーカーやテキストボックスは色が選択できるので、場面に応じて使い分けをしています。
例えば、赤いテキストボックスには補足情報や最新事例を記載し、学生に共有。電子教科書の本文中のキーワードにマーカーを引き、余白にテキストボックスでコメントを貼って共有ボタンを押すだけで講義準備完了。スライド不要で講義が組み立てられます。
学生には、電子教科書に書き込んだ予習内容をGoogleフォームなどで提出してもらいます。私はその予習コメントを自分の電子教科書に貼り付け、それをもとに講義を展開しています。 学生の関心に合わせて、理解を深められるような講義運営が可能になります。 - 講義中の活用と学びの共有
オンライン講義では、電子教科書に張り付けた学生の予習コメントを、紹介しながら進めています。学生の予習コメントは「〇〇さん(ニックネーム)からのお便りです」といった形式で紹介しています。これは、ラジオ番組のような演出を取り入れたもので、他の学生の主体的な学びの内容を共有することにより、孤独になりがちなオンライン講義において、学生同士のつながりや安心感を生み出す工夫となっています。一緒に受講しているという感覚を得られる点もEDX UniTextを用いたメリットだと思っています。EDX UniTextを用いると、教員が学生の理解度を把握できるだけではなく、「他の意見の内容も電子教科書に反映されるため、自分では得られなかった知見を見つけることができる」と、学生間の学びあいにもつながっています。
学生の予習内容に関する補足情報は色を変えたテキストボックスで追加し、関連動画やサイトはリンク機能で教科書に埋め込み。ワンクリックでアクセスできるのも魅力です。
対面講義では、学生が予習に取り組む中で電子教科書の該当箇所に目を通しているからこそできるディスカッションを実施しています。これは、学生が電子教科書を読み、内容を理解しようとする姿勢があってこそ可能となる学びのかたちです。担当科目では電子教科書の購入率がほぼ100%であり、ほぼ全員が電子教科書を持参して講義に参加しているため、こうした活動が効果的に展開できています。
動画や共有ツールもすべて電子教科書に埋め込めるため、EDX UniTextが学びのプラットフォームとなり、EDX UniTextだけで講義が完結します。他ツールとの相性がよいのも特徴です。
- 初回ガイダンスでの実演
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EDX UniTextを活用した講義の様子 -
EDX UniTextを活用した講義の初回ガイダンスの様子
共創による学びの場として
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瀨良さま
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EDX UniTextを使った講義は、学生にとって新しい取り組みでしたが、「考える習慣づけ」「主体的で積極的な講義参加」「対話や学習経験の重視」という3点でポジティブな声が多く寄せられています。「自ら意見を述べることやほかの学生の意見を取り入れる中で、思考する能力を磨くことができた」といった狙い通りの声もありました。
私としても、予習内容から学生の理解度を把握しやすくなり、講義の深度や方向性を柔軟に調整できるようになりました。学生の意見を取り入れながら進めることで、互いに学びあえる場が生まれています。EDX UniTextは、教員と学生が共に学びを創るプラットフォームだと思います。
また、EDX UniTextの利活用では、学生の講義参加における学習経験の向上を企図した講義デザインを考えることも必要です。
今後は学修ログデータを活用し、講義外学習の可視化や、より柔軟な講義運営をめざしていきたいと考えています。学生自身が自分の学修ログを確認できるようになれば、さらに学習意欲が高まると思います。
お客さま情報
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1925年に設立され、長い歴史と伝統を誇る総合大学である近畿大学さまは、2025年に創立100周年を迎えられました。
大阪府東大阪市に広がるメインキャンパスを中心に、6つのキャンパスのほか、研究施設や附属学校が全国に広がり、近畿大学ネットワークを形成されています。多様な分野で社会貢献を実現する「実学教育」を推進され、総学生数およそ3万5000名を誇る全国トップクラスの私立大学として、国内外へ多くの優れた人材を輩出しています。さらに、グローバル化を見据えた高い研究力により、世界でもその存在感を示されています。 -
- ※サービス導入効果は、ご利用者さまの声に基づくものであり、お客さまのご利用状況により、効果は異なります。
- ※記事の内容は、2025年9月時点のものです。


