
大規模な増員なしで売上2倍の急成長に対応
RPA導入を機に全社の改善意識が向上し
月500時間の事務作業を削減
業務支援サービス
株式会社ジェイアンドシーさま
- 業種
- 流通・小売
- 従業員数
- 51名~100名
- 導入サービス
- WinActor®
課題
- 事業の急成長に伴う事務負担の増大
- 採用難による人員不足
- 多忙によりノウハウ共有が進まず業務が属人化
効果
- 月500時間以上の事務作業を削減
- 売上高2倍の急成長に大幅な増員なしで対応
- 全社の業務改善意識とITリテラシーが飛躍的に向上
- ※ 本ページの内容は、NTT西日本のサービスをご利用中のお客さまに、事業内容やWEBサイトのご紹介を含めて掲載協力をいただいております。
- ※ 掲載の情報は2025年9月現在のものです。
- ※ サービスの導入効果はご利用者さまの声に基づくものであり、お客さまのご利用状況により効果は異なります。
課題
急成長に伴い、事務負担の増大と人員不足が顕在化

「日本(Japan)と中国(China)の架け橋に」との想いから2003年に創業したジェイアンドシーさまは、東南アジア・北米にも事業を拡大し、2024年の売上高は100億円を突破。愛知県屈指の貿易商社となっている。
一方で、社内では急成長に伴う課題が顕在化していた。
越智成幸社長が振り返る。
「注文や取引先が増えて業績が伸びれば当然、業務量も増加します。取り扱い品目は月間で3,500アイテムにも上っています。しかし、昨今の労働市場の動向から、人材確保は容易ではありませんでした。さらに、欠品や納期変更に伴うイレギュラーな作業が増え、そのやり方も属人化してしまうなど、バックオフィスの社員に大きな負担がかかっていました」
対応
「日本語対応」「操作性」「既存システムとの連携」を重視
そうした中、通信ネットワークやセキュリティ対策などを担当していたNTT西日本から、DX推進に向けてRPAツール「WinActor ®」を紹介される。
RPAは、パソコン上での定型業務を自動化し、業務効率化を支援するツールだ。ジェイアンドシーさまの事務作業には、転記や繰り返しの作業が多く、ヒューマンエラーも発生しやすい環境であり、RPAの導入による生産性の向上が期待できた。
RPAツールの選定にあたり、同社が重視したのは「日本語対応」「操作性」「既存システムとの連携」だった。
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- ●日本語対応
- WinActor®は純国産のRPAツールであり、日本語のマニュアルやサポート体制が充実している。
「従業員の約3割は外国籍ですが、RPAの業務自動化シナリオを作成するのは日本人スタッフであるため、日本語での操作環境は必須で、国内大手で実績のあるWinActor®は私たちにとってほぼ一択でした」(越智博社長室長)
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- ●操作性
- プログラミングの知識がなくても、クリックやドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でシナリオを作成・編集できる点も大きな魅力だったという。
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- ●既存システムとの連携
- 「特に重視したのが、当社が利用している輸出入貿易業務・通関業務管理システム(TOSS)と連携できることでした。ある作業はRPA、この作業はTOSS、また別の作業ではRPAというような自動化では作業が煩雑になり、逆に工数が増えてしまうため、既存システムとの連携は重要でした」(越智室長)

NTT西日本の丁寧な対応と、充実したアフターフォローへの期待
WinActor ®導入の最終的な決め手となったのは、NTT西日本の丁寧な対応と、充実したアフターフォローへの期待だった。
「当時、社内でのRPAの認知度は決して高いとは言えない状況でした。NTT西日本が主任以上のスタッフの前で分かりやすい説明会を開いてくれるなどしたことで、RPAへの理解が深まりました」と越智室長。
また、NTT西日本のサポートのもと、業務内容可視化ツールを用いて業務の全体像を見える化し、課題を洗い出した上で、RPAを活用できそうな業務を丁寧に分析していく中で、導入後の充実したアフターフォローへの期待が高まったことも大きな安心につながったという。
効果
業務自動化シナリオを50本作成し、月500時間以上の事務作業を削減
WinActor®導入後は、受注入力と発注書作成の2つの業務自動化シナリオを作成するところからスタート。単なるツールの導入ではなく、全社的な業務改革の一環として位置付け、現場の声を聞きながら、定型業務を中心に自動化の範囲を段階的に拡大。作成した業務自動化シナリオは現在、約50本に上っている。シナリオ作成後も、業務の変化に応じて見直しを繰り返し、シナリオを最適化し続けることで、月500時間以上の事務作業を削減した。
越智室長は「RPAの導入を検討し始めた2020年の売上高は56億円でしたが、2024年には108億円へと大きく伸びています。その間、輸出に携わる従業員の数はほとんど変わらずに対応できています」と評価する。
特に、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、原材料価格の高騰を受け、頻繁に発生する商品の価格改定作業ではWinActor®が絶大な効果を発揮することとなった。
「従来は、メーカーの価格改定は数年に1回程度でした。それが今では1年に数回、価格改定が行われている状況です。そのため、基幹システムに既に登録されている2万件以上の商品情報に対しての更新作業が2倍、3倍と急激に増加したため、ここでWinActor®が大活躍してくれました」
全社の業務改善意識とITリテラシーが飛躍的に向上

WinActor®の導入は、社員の意識にも大きな変化をもたらした。
「RPAの存在を各部署が認知したことで、『これはRPAでできるのではないか』と考えるようになり、全社的に業務改善意識とITリテラシーが格段に高まりました」(越智室長)
業務自動化シナリオの作成で中心的な役割を果たしたIT課の谷端 真依氏は、月500時間以上の事務作業削減という成果について、「『私たちはこんなにも単純作業をしていたのか。みんなよく頑張ってきたね』と、これまでの自分たちの努力をあらためて肯定してくれるような数字でもあると捉えています」と笑顔で語る。同時に、「この成果は、バックオフィスの皆さんの改善意欲の結晶」と強調する。
少しでも負担を減らしたいとの想いと高い改善意識から、現場では多忙な中でも自然と「この作業は自動化できないか?」「そのためにはどうすれば…」といった前向きな議論が生まれていった。さらに、業務が可視化されたことで、他部署の業務にも目を向けて「あの仕事も自動化できるのでは?」と改善提案が広がっていく。
谷端氏は「現場からの相談は当初、転記やシステム出力など単純な作業の自動化が中心でしたが、ここ2年ほどでより高度で複雑な業務の相談が増加しています。私は文系出身ですが、シナリオ作成時に不明点が生じても、NTT西日本グループの迅速で的確なサポートのおかげで安心して取り組めています。業務に追われていた同僚が『とても楽になった。ありがとう』と声をかけてくれる。そんなちょっとしたやりとりに大きなやりがいを感じています」と話す。
ただ、全ての単純作業がなくなったわけではない。現場レベルの取り組みには限界もあるため、「今後は外部の専門家の力を借りたり、トップの判断で業務を外注したりするなど、違った角度からのアプローチも取り入れ、社員全員が毎朝、出社するのが楽しみになるような環境を実現したいと考えています」(谷端氏)
NTT西日本に対するご意見
職場を「社員が輝く舞台」にするためのサポートを期待
RPAによる自動化で創出した時間と、社員の高い改善意識を掛け合わせ、今後、どのような未来を切り拓いていくのか。越智社長はこう語る。
「日本には少子高齢化による人口減少などの課題がありますが、世界を相手にする貿易ビジネスには無限の可能性が広がっています。単純な作業は自動化し、社員全員がより創造性を発揮できる業務に注力できるようにしたい。それが社員のやりがいとなり、ひいては会社のさらなる発展につながっていくと信じています。NTT西日本には、AIの活用なども含め、社員がより活躍できる環境を整備するためのサポートを期待しています」
お客さま情報

- 株式会社ジェイアンドシーさま
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輸出入事業を柱とし、輸入部門では商材の企画開発・製造・輸入・卸までを一貫して手掛ける。日本が人口減少局面を迎える中、豊橋市と協力し、地元企業の海外進出も支援。越智社長は中部日本香港協会の会長も務める。
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住所 事業本部:愛知県豊橋市下地町瀬上53-1 WEBサイト http://www.j-and-c.co.jp/
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