ビジネスWi-Fiで会社改造(第44回)
ビジネスWi-Fiで"学び"が進化する
インターネットやモバイル通信の高速化により、リアルタイムに高精細な動画を伝送・蓄積できる環境が整えられ、多くの人がスマートフォンやパソコンで場所や時間にとらわれず動画を閲覧できるようになった。情報入手の有力手段の1つとしても動画が挙げられるようになり、ビジネスにおいても「カメラ」の位置付けが相対的に高まった。これまでは、「監視のため」というイメージが強かったカメラのビジネス利用だが、こうした環境変化に伴い「現地のリアルな状況を視える化する」情報ツールへとシフトが始まっている。
NTT西日本では、ビジネスシーンで手軽に導入できるクラウド型のカメラサービス「クラウド型カメラとれ~る」を提供。2021年3月にはAIを活用し、混雑状況を可視化する機能が加わった。
まずは2月に加わったカメラのラインアップを見ていこう。なぜなら、このカメラの登場で、クラウド型カメラとれ~るの活用範囲が格段に広がり、AIを活用したカメラの利用も拡大すると想定されるからだ。
新しくラインアップされたのは「LTE対応ポータブルカメラ」。スマートフォンなどに使われるモバイル通信方式のLTEやWi-Fiに対応し、バッテリーで駆動するウエアラブルスタイルのカメラだ。配線や電源が不要で、場所にとらわれずカメラから映像データをアップロードできる。
クラウド型カメラとれ~るは、すでに数種類の提供カメラの用意があったものの、これらは常設設置を前提にしたものだった。これに対してLTE対応ポータブルカメラは、現場で持ち歩いたり、一時的に設置したりして現地の状況を把握できるので、クラウド型カメラに新しい用途を生み出しやすくなる。
例えば建設現場などでは、現場の進捗に合わせて設置場所を変えて撮影すれば、現場監督が映像から進捗状況を確認できる。工場では、トラブルが発生したときに現場の状況を本部でも確認しながら、音声通話機能を使って指示を受けられる。小売店では、店頭の陳列状況をスナップショット機能で写真として記録しながら、本部とやり取りできる。医療現場では、患者の容体や機器が示す数値を遠隔から確認し、患者との接触を減らしながら高度な医療を提供できる。
いずれも映像だけでなく音声やスナップショットのデータも一定期間クラウドに保存されるため、後から確認する際の状況証拠としても役立てられる。
では、AI活用機能が加わった「クラウド型カメラとれ~る」と組み合わせると、どんなことができるのか。その1つがオプションの「映像解析サービス」だ。
映像解析サービスは、カメラの映像をAIが分析し人を検知。一定以上の混雑状況が認められたときにアラートを発出するサービスだ。混雑時にはWebサイトやサイネージの表示を自動的に差し替えてくれるので、該当の場所が混雑中であると利用者に伝えられる。市役所や図書館、駅などの公共施設や交通機関、公園や遊戯施設などで混雑状況を把握して、入館や入場を適切に管理する際に役立てられる。
映像解析サービスの特長の1つに、カメラの映像に映った人物を色で塗りつぶし、「人の形」だけが分かるように加工して秘匿化する機能がある。さらに秘匿化された画像をWebサイトなどに公開する機能も備える。個人のプライバシーを守りながら混雑状況を可視化できるわけだ。その映像を見た利用者が混雑状況を判断し、適切な行動を自ら心掛けるための情報提供にもつながる。混雑状況画面は1分間隔で更新され、ほぼリアルタイムで状況を伝えられるのもこのサービスの特長だ。
AIによる映像解析は近年進化が目覚ましい。すでに活用しているクラウド型カメラとれ~ると、外部企業のAI映像解析エンジンを組み合わせて利用したい場合もあるだろう。そんなときは、もう1つのオプション機能「画像APIサービス」を使用することで、外部企業のAI映像解析エンジンと連結してクラウド型カメラとれ~るの映像データの出力が可能だ。
得意分野を持つ外部の製品とクラウド型カメラとれ~るの両方のいいとこ取りができるのがこのオプションの利点だ。カメラから映像データを集めたり運用をサポートしたりするのはNTT西日本なので、安心して利用できる。
さまざまな場所の映像をリアルタイムで収集、蓄積し、AIを頭脳として適切に使えば、クラウド型カメラとれ~るの利用範囲は格段に広がる。幅広い活用シーンを考えたとき、LTE対応ポータブルカメラを組み合わせればカメラの設置場所の制約がなくなり、さらに用途の幅が広がるのを実感できるだろう。今後もクラウド型カメラとれ~るは、AIを活用した新たな機能と新型カメラを提供し、監視カメラや防犯カメラといった従来の枠組みを超えた、カメラの新しい活用法を提案していく。
※掲載している情報は、記事執筆時点のものです
執筆=岩元 直久
【M】
ITで働き方を変える